猫を愛し、猫に愛されるタクシー会社 ツイッターに投稿する猫写真が次々バズる!?

 助手席に猫を乗せた『ねこタクシー』という小説やドラマをご記憶の方もいるだろう。現実に「ねこタクシー」を運行するタクシー会社が京都にある。猫は乗車しないものの、しっぽをつけて走りまわる姿が可愛らしいと注目を集めた。

 そのほかにも猫にちなんだ企画を開催したり、公式ツイッターでの猫写真が評判を呼び、写真集やポストカード化の要望があるほどだ。

(末尾に写真特集があります)

きっかけは「猫バンバン」の呼びかけ

 京都に本社を置くMKタクシーでは、公式ツイッターに「#MK猫写真」というハッシュタグで猫の写真を投稿している。

 2016年よりツイッターを担当する経営企画部の今井菜月さんは、観光案内情報発信のため京都の風景を撮影する業務の合間に、出会った猫の写真を投稿するようになった。

 その年の初冬、乗車前にエンジンルームやタイヤの間に入り込んでしまった猫を逃がすための「猫バンバン」を呼びかけるツイートをイラスト付きで投稿したところ、メディアに取り上げられるほど話題となった。

 タクシー会社として、以前から出庫前に行うチェックのひとつではあったが、改めて意識が高まるきっかけとなり、注意喚起のポスターが営業所に貼り出されたという。

MKタクシーの「猫バンバン」チラシ
営業所に貼りだされた「猫バンバン」の呼びかけ

上司の撮影した猫写真が話題に

 2017年には「#MK猫写真」というハッシュタグをつけてツイッター投稿するようになり、所属社員やドライバーからも猫写真が送られてくるようになった。

「社内で定期的にフォトコンテストを開催しており、春夏秋冬の景色や草木をテーマに写真を募集しています。コンテストを主催する私の部署に、日頃から写真が集まる土壌がありますので、『猫いましたよ!』と言ってLINEで送ってきてくれるんです」(今井さん)

 2018年11月、今井さんの上司から届いた拝殿で熟睡する猫の写真を投稿したところ、閲覧数は約90万にのぼった。

熟睡して階段からずり落ちそうな猫
ずり落ちそうでも熟睡中。「上司が無言で送ってきました」(今井さん)

 オンラインツアーなどを担当する「上司」は、寺社仏閣へ足を運ぶ機会が多い。行く先々で猫が寄ってくるので、「岩合さんみたい」と呼ばれるとか。

「自然の出会いを大切にしたいので、またたびやおやつを持ち歩く者はいないのですが、神社やお寺で可愛がられている猫は多いですね」と今井さんは話す。物怖じしない猫に出会えるのは、観光名所の多い京都ならではだろうか。

 猫が近づきすぎるあまり、撮影者の一部が写り込んでしまうことも。「おじさまと猫」状態が萌えポイントとなるらしく、「上司の足元」との組み合わせは特に人気が高い。

お寺の境内で寝る猫
「上司」が近づいても、微動だにせず

猫写真が思わぬ広報効果に

 京都の風景を紹介する中、アクセント的に猫写真を投稿してきたが、2020年4月、「上司」が送ってきた1枚の写真が爆発的な反響を呼んだ。

「ロールパンかと思った」「コッペパン?」「お餅かな?」と注目を集め、またたく間に閲覧数が870万を突破。14.7万の「いいね」がついた。

 

 ひっそりと始めた猫写真投稿だったが、はからずも広報効果は絶大だった。フォトジェニックな猫はもちろん、気ままな姿をとらえた写真が心をつかみ、2021年1月現在、フォロワー数は5万8千を超えた。

「ツイッターを見たよ」と声をかけてくる乗客がいたり、街でMKタクシーを見かけたことを報告してくれるフォロワーも増えたという。

猫企画をスタート

「猫好きなタクシー会社」として認知されたことを機に、2019年から2月22日の「猫の日」に合わせ、「ねこタクシー」の期間限定運行を始めた。

 目印は車体後方にあしらった猫のしっぽ。車内にはドライバー手袋で手づくりした猫のぬいぐるみを飾りつけ、猫のイラストが描かれた乗車記念カードをプレゼントするなど、猫づくしの車が京都を走り回った。「将来的には、耳をつけたり、もふもふにしたり、見た目をもっと猫っぽくできるといいですね」と今井さんは語る。

 2020年8月8日には、「世界猫の日」にちなみ、猫ゆかりの地を巡る「猫ツアー 京都にゃんこぱらだいす」を開催。猫好きドライバーが発案し、当日の案内まで行ったツアーは大好評で、12月12日に第二弾が開催された。関東など遠方からの参加者もいたという。

猫猫寺の猫住職
猫ツアーで訪れた猫猫寺。ツアー売上の一部はフェリシモわんにゃん基金に寄付されている

京都の猫に会える日を願って

 京都という土地柄、観光需要によるハイヤーや貸切タクシー利用が収益に占める割合は少なくない。昨年は訪日外国人観光客がゼロとなったほか、国内観光客やビジネスマンも激減し、甚大な打撃を受けた。

 苦境に立たされるなか、医療機関無料送迎事業に乗り出したり、フードデリバリーサービス「MKタク配」※を始めるなど、地域のため「タクシー会社にできること」に取り組んでいる。

 一日も早いコロナ禍収束を願いつつ、猫関連の企画も準備中だ。今年も2月22日から約1カ月間、「ねこタクシー」の運行を予定している。好評の「ねこツアー」は5月ごろの催行に向け、協力企業と調整を始めるという。

猫のしっぽが描かれた「ねこタクシー」
予約は受け付けていないため、出会えたらラッキー!

 観光もままならない今日だが、MKタクシーの名カメラマンたちが、情緒豊かな京都の四季や愛らしい猫の姿を届けてくれる。ファインダー越しの旅気分を味わいながら、京都の猫に会いに行く日を心待ちにしたい。

※緊急事態宣言中は「飲食店応援キャンペーン」を実施し、宅配料110円

(写真提供:MKタクシー)

MKタクシー
本社住所:〒601-8432 京都市南区西九条東島町63-1
本社代表番号:075-555-3132(代)
公式サイト:mk-group.co.jp
公式ツイッター:@MKofficial_PR

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久保田綾
八ヶ岳山麓で虫やカエルを愛でながら育つ。早稲田大学卒業後、日刊スポーツ新聞社、角川書店でスポーツ記者、編集者として勤務したのち独立。2010年、自宅の庭に現れた子猫(もこにゃん)を保護してからは、本業に支障が出ない程度に働くフリーライターとして糊口をしのぐ。本業は猫の下僕。

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