福を呼ぶ「黒い招き猫」 最古の招き猫伝説の寺 京都

本堂に祭られている6体の黒招き。(奥の左)先々代が昭和4年ごろに作った、(奥の右)先代が戦後に作った、(奥の真ん中と写真手前左)現住職が20年前に作った、(手前右から二つ)大正から昭和初期に当時の住職が作ったとされる=京都市の檀王法林寺
本堂に祭られている6体の黒招き。(奥の左)先々代が昭和4年ごろに作った、(奥の右)先代が戦後に作った、(奥の真ん中と写真手前左)現住職が20年前に作った、(手前右から二つ)大正から昭和初期に当時の住職が作ったとされる=京都市の檀王法林寺

 京都に、右手を挙げた黒い招き猫が祭られているお寺がある。「だんのうさん」として親しまれる檀王法林寺(京都市左京区)だ。寺社関連では日本最古ともいわれる招き猫伝説が残っている。黒い招き猫が『お先真っ暗』なあなたに、進むべき道を示しくれるかも?

 

(末尾にフォトギャラリーがあります)

 

 檀王法林寺は浄土宗の寺で、1611年に同宗を琉球(現・沖縄県)に広めた袋中(たいちゅう)上人によって創建された。本尊は主夜神(しゅやじん)で、本堂の奥の扉の中に安置されている。その使いとして偶像化され、手前に安置されているのが、右手を挙げる黒い招き猫だ。

 

 主夜神とは「恐怖諸難を取り除き、衆生を救護し、光をもって諸法を照らし、悟りの道を開かせる」神様。「主夜」が「守夜」に転じ、夜を守る神としてあがめられた。盗難や火災を防ぐ御利益があるとか。だがなぜ、黒猫なのか、なぜ挙げているのは右手なのか?

 

 住職の信ケ原雅文さん(61)は「夜でも目が見える黒猫は古来、魔よけや幸運の象徴とされていました。そこで夜を守る主夜神と結びついたのでは」と推測する。一般的に招き猫は、右手を挙げるものはお金を、左手を挙げるものは人を呼ぶといわれる。この寺の黒招き猫が右手招きの理由については「人を災いから遠ざけて健やかにして、人を呼び、お金にも繋がっていく意味があります」と、信ケ原住職は話す。

 

 いつから黒い招き猫が祭られ始めたのか、正確な年代は定かではない。ただし、江戸中期にはすでに主夜神の銘を刻んだ黒い招き猫が作られて多くの人に授与されていたという。昭和8(1933)年発行の『京都民俗志』には、檀王法林寺と同じ右手招き猫は他で模作することを禁じられた、と記載されている。

 

 現在、本堂に安置されている黒い招き猫は6体。最も古いものは大正~昭和初期の作で、それぞれ当時の住職が作ったとされる。世界大恐慌後や戦後、バブル崩壊後など、暗い時代に作られている。

 

■檀王法林寺
所在地/京都市左京区川端通三条上ル法林寺門前町36
電話/075-771-0870
拝観時間/10:00~16:00(寺務所)
拝観料/境内は無料、本堂の招き猫参拝は100円のさい銭が必要(寺務所で要申し込み)。秘仏・主夜神像は、毎年12月の第1土曜日にある「主夜神法要」の時だけ、ご開帳される

(福山嵩朗)

 

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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