コロナ禍で新たに飼われ始める犬猫が増加、生活の変化が需要生む 業界団体が推計

顔をなでられる犬
コロナ禍で新たに犬や猫を飼い始める人が増えている

 ペットフードメーカーの業界団体ペットフード協会が23日に公表した今年の「全国犬猫飼育実態調査」で、新型コロナウイルスの感染拡大にともなう生活環境の変化により、新たに犬猫を飼い始める人が増えていることがわかった。同協会は「コロナ禍により新たなペット需要が生み出されている」と分析している。

 調査によると、この1年以内に新たに飼われ始めた犬は前年に比べて14%増えて推計46万2千匹、猫は同16%増の推計48万3千匹だった。犬は6%増、猫は7%増だった19年の伸び率を大きく上回っており、調査結果の比較が可能な過去5年間で見ても「伸び率、飼育数ともに最も多く、コロナ禍による生活環境の変化が新たな需要を生み出したとみられる」(同協会の木村裕司・普及啓発委員会委員長)という。

 これらの犬猫について、飼育を始めたきっかけを尋ねると、「ペットショップで見て欲しくなったから」と回答した人が犬では33.8%と最も多く、猫でも16.4%で「拾った、迷い込んできたから」(23.0%)に次いで2番目に多かった。このため同協会では、「外出を控えるなか、近くのペットショップへ足を運ぶ機会が増え、その結果、購入が伸びたのではないかと推察される」(木村氏)と見ている。

 ただ、死亡数が新たな飼育数を上回っているため、全体では、犬の推計飼育数は前年比4%減の848万9千匹と減少傾向、猫は同1%減の964万4千匹と横ばい傾向だった。

太田匡彦
1976年東京都生まれ。98年、東京大学文学部卒。読売新聞東京本社を経て2001年、朝日新聞社入社。経済部記者として流通業界などの取材を担当した後、AERA編集部在籍中の08年に犬の殺処分問題の取材を始めた。15年、朝日新聞のペット面「ペットとともに」(朝刊に毎月掲載)およびペット情報発信サイト「sippo」の立ち上げに携わった。著書に『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』『「奴隷」になった犬、そして猫』(いずれも朝日新聞出版)などがある。

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