繁殖犬を保護した知人と“繁殖犬ママ友トーク” 愛犬たちの悲しい共通点に涙

ミニチュア・ピンシャー「マル」
和む「マル」

 名前のなかった「マル」に、「キャロット」と名付けてくれて保護してくれたのは、『NPO法人 ワンダフルドッグス』(代表・岩渕友紀さん)さんで、保護の背景には、いわゆる「ブリーダー崩壊」があったことは以前も書かせていただきました。

 推定6歳のマル(我が家に来てからの名前です)が、いったい何匹のミニチュアピンシャーを産んだのかはわかりませんが、乳首が大きくて垂れていることが“経産婦”の証。マルがお腹を見せ、お乳の大きさが確認できる度に、「マル、お産、大変だった?」「よく頑張ったね」と必ず声をかけています。

 私は出産経験がないので、人と犬という違いはあれど、マルを尊敬すると同時に、子どもたちと離れて、今、我が家で暮らしているのはどんな気持ちか……と切なくなってしまいます。

乳首が垂れた状態の元繁殖犬「マル」のお腹
マルの“お乳”

同じタイミングで繁殖犬を保護した“ママ友”

 1027日付の『朝日新聞』本紙に、「繁殖担う犬猫 不幸にしないために」という見出しの記事がありました。環境省が、犬猫の繁殖業者やペットショップにおける飼育や管理方法に関する「数値規制」の案を取りまとめたからです。

 省令施行のタイミングに合わせて引退する繁殖犬や繁殖猫がこれまで以上になる可能性があるため、店舗に繁殖引退犬・猫の譲渡コーナーを作る検討をしているショップが紹介されていました。

 私が参加している『エンジン01文化戦略会議』の「動物愛護委員会」のミーティングでも、繁殖犬・猫の現状や保護について積極的に議論が交わされています。

 そんな折、メンバーの一人から「山田さんとほぼ同じタイミングで繁殖犬を保護したのよ」という報告を受けました。

 5歳のポメラニアン。スマホにたくさん保存されている画像も見せてもらい、“繁殖犬ママ友トーク”に花が咲きました。

 でも、話している内に、悲しい気持ちが押し寄せてきました。それは、そのポメちゃんとうちのマルに多くの“共通点”があったからなのです。

ソファの縁に手をかけて甘えるミニチュア・ピンシャー「マル」
ソファの縁に手をかけて甘えるマル

辛い過去を思わせる“悲しい共通点”

 まずは、すごく太っていること。ポメちゃんもマルもダイエットに成功しつつありますが、「上から見ると背中が四角くてビックリしちゃった」とポメちゃんのママ。

 みごとに同じです。マルも保護されたときは6キロ台と、ミニピンとは思えない体重で、背中から両脇にかけてタップリしたお肉が垂れていて、上から見た背中が四角だったのです。

 続いての共通点は、「同じ場所をクルクル回る」ということです。マルは一日に何度も回ります。ご飯を食べる前、トリートが欲しいとき、私が帰宅したときなど、「ストップ」と声をかけるまで、いくらでも回ります。

 ポメちゃんのママ曰く、「ずっと狭いケージの中にいたからじゃない?」と。その中で、お産ばかりさせられていたのかと思うと、また悲しく、辛くなりました。

 運動をさせてもらっていなくて、食べることだけが楽しみで、どんどん太っていってしまったのだとしたらそれも悲しいことです。

 まだ共通点はありました。それは、足の指がひらいているということです。今はだいぶ閉じてきたのですが、指をひらいて踏ん張らなければならない場所にいたのでしょうか。

 ポメちゃんのママと私は話しているうち、共に涙ぐんでしまいました。

 前述の岩渕さんからは「繁殖犬だから母性に溢れている」と聞いていました。“お見合い”に行ったとき、マルは『ワンダフルドッグス』さんに当時保護されていたワンちゃんたちを育むような素振りを何度も見せてくれたので、「なるほど」と納得したものです。

ミニチュア・ピンシャー「マル」
かなりダイエットできて、ぐんとかわいくなりました

だんだん本性が現れてきたマル

 が! 我が家に来て、もともとの本性が現れるようになったのか、いまはいちばんの甘えっ子で、ココやハンターにまとわりついては、よく怒られています(笑)。

 でも、もちろん私は甘えさせる気マンマンでマルと関わっています。

 そうそう、「ご飯を食べたら自分でケージの中に入りますから」と岩淵さんには言われていたのですが、1回も入りません(苦笑)。マルは、保護施設から出て、さらに自由になったことがわかっているのかもしれません。

 これまで苦労をしてきた分、もっともっと可愛がります。“悲しい共通点”をマルが忘れるように。

 もちろん、ポメちゃんママも同じ想いです。

(次回は12月1日公開予定です)

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山田美保子
1957年生まれ。青山学院大学卒業後、ラジオレポーターを経て、放送作家、コラムニストなどを務める。「踊る!さんま御殿!!」「ノンストップ!」などを構成。ほかに雑誌、新聞、WEBに連載多数。

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