猫ウロウロの法則を解明 相棒と一緒に寝たい猫、1匹で寝たい猫

 ここ数か月間、外出自粛で猫のように家に引きこもる日々が続きました。そうすると、どこか遠くへ行きたい……など思いますが、きっと猫は、遠くへ行きたいなんて考えることはないのですよね。

 我が家の猫らは元野良猫ではありますが、野良生活は生後ほんの数週間程度だったはず。“あんず”にいたっては、産まれた場所がどこかのお宅の物置小屋だそうなので、ずっと“イエネコ”だったとも言えます。そんな2匹は、今では我が家が全世界です。

 猫らは遠出しない分、家の中での居場所にはこだわりがあるようです。

居場所を求めて、長時間ウロウロ…

 人一倍ならぬ、“猫一倍”居場所にこだわりがあるのが、キジトラ猫の“モモ”です。

 最近は、こだわりがありすぎて、ウロウロ場所を探し回るだけで午前中が終わることも……。まさに本末転倒。

 我が家は、モモが居心地よく過ごせる場所がそんなにもないのか?と考えました。

 猫タワーもあるし、風通しのいい窓辺には猫ベッド、テーブルの下には座布団があるし、何もない冷蔵庫の前で寝るのがお気に入りだった時期もあります。

 テレビの裏側で寝るのが好きな時期もあるし、猫って自分で勝手に好きな居場所を見つけるものだと思っていました。もちろん、猫タワーや猫ベッドなど、飼い主がお手伝いする側面はありますが。

モモ「ちょっとごめんなさいよっと」
モモ「ちょっとごめんなさいよっと」

 しかし数日経つと、その謎が分かってきました。モモが午前中ウロウロしがちな日の法則があったのです。それは、単純に“暑い日”でした。

 とはいえ暑い日は、窓を開け放して風通しをよくしたり、気温も湿度も高く、風もない日はエアコンをつけたり、ヒトにも猫にも快適になるよう調整しているつもりでした。

 なぜそんなに居場所を探し回っているのか、体調でも悪いのかと心配になり始めた頃、またもや判明したことがありました。

 暑い日は、相棒猫のあんずがモモと一緒に寝たがらないから、モモが場所を探して右往左往しているのだと。

暑い日も一緒に寝たいモモ、一匹で寝たいあんず

 それが分かったのは、暑い日々のあと、雨が続いて涼しくなったら突然、モモがウロウロしなくなったからでした。

 涼しい日のモモは、あんずと一緒に幸せそうに寝ているのでウロウロしません。

 モモは、あんずと一緒に寝るのが大好き。できれば、常に一緒にいたいんです。

 なのに、暑い日はあんずに「暑いから一人(匹)で寝たいの!」と断られてしまうんです。

 モモの“居場所”の作り方はこうです。

 モモは、あんずが寝ているところに行って、体をペロペロなめて毛づくろいしてあげます。

モモの真剣な表情
モモの真剣な表情

 あんずが受け入れてくれれば、あんずも毛づくろいのお返しをするか、眠ったままなら、モモが横に落ち着くことができます(求愛行動かよ)。

 一方、あんずが一匹で寝たいときは、「カー」と言ったり、“来るな”と表情や態度で合図をしてモモを追い払います(メス同士です)。

 すると、モモはきちんと察してすごすごと居場所を探してさまよう……(モモ、かわいそう)のだけれど、自分の居場所はあんずの横なので、居場所がなくてウロウロ……もしくは眠れなくてボーっとしている、という結果になるわけなんです(モモ、かわいそう!! 2回目)。

 でもまぁ、誰だって一人になりたいときはあるし、毎日毎日顔を突き合わせているし、イヤな時はイヤって言っても仕方ないことですけどね。

 あんずに断られたなら、私のそばにいればいいものを、なぜか人間には遠慮するんですよね……。

 遠慮しつつも、そばにはいたくて、1メートル離れたところに鎮座してジーっと視線を送っているだけなので、厄介な性格です。

好きな場所で自由に寝るあんず

 あんずも場所にこだわりはあるようですが、モモのように探し回って落ち着かないということはありません。

 モモのところへ行って……ということはほぼなく、自分の好きなところで眠ります。

 それにはマイブームがあり、キャットタワーの上、夫の仕事椅子、座椅子、テーブルの下など、さまざま。

 自分の居たい場所を大切にしているという意味では、あんずのほうが居場所にこだわりがあって、モモはあんずさえ居ればどこでもいいということになりますね。

無事に一緒に寝ることができそうです。確かに、あんず暑そう(笑)
無事に一緒に寝ることができそうです。確かに、あんず暑そう(笑)

 ちょうどこの原稿を書いていると、あんずに添い寝を断られたモモが、1時間後に再挑戦。熟睡中のあんずの毛づくろいをして、再度申し込みをしています。すると、あんずは爆睡中で、何をされて動きません。

 かなり入念な毛づくろいの後、モモはあんずの横に落ち着くことができたのでした。モモ、よかったね! これでモモはようやく眠れます(涙)。

 そんな感じで猫たちは、狭い我が家でも自分の居場所さえあれば、幸せそう。ヒトの私もそんな風に暮らしていきたいですね。

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安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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