おうち時間に猫がソロキャンプ!? Tシャツテントを作ってみた

 新型コロナウイルスの感染予防で外出は自粛。依然として「在宅」が続いています。少しでも前向きになり、猫が楽しめるものを手作りしたいなと思い、前から気になっていた猫テントに挑戦することにしました。仲間にも同じ方法で愛猫のために作ってもらい、出来あがりを比べてみると雲泥の差(こちらのつたないこと…)。しかし、意外な結末が待っていました。

(末尾に写真特集があります)

愛猫のために「手作りテント」を

 我が家の愛猫はっぴー(2歳)とイヌオ(16歳)は、4月後半になると私の長い在宅に慣れてきましたが、相変わらず「遊んでよ~」「何か食べものないの~」と甘えてきます。とくに若いはっぴーは、好奇心を持てあましている様子。

 せっかく時間があるので、“手作りの猫テント”を作ることにしました。ネットで楽しそうにテントに入る猫たちを見て、いつかやってみたいと思っていたのです。そこで、同僚の女性と作り方を共有し、それぞれの愛猫のために作ることにしました。

準備段階でもう興味津々?Tシャツの上に乗るはっぴー
準備段階でもう興味津々?Tシャツの上に乗るはっぴー

思い出の古いTシャツで挑戦

 Tシャツは、引き出しの奥にあった、かつてのお気に入り“猫T”を使うことにしました。10年程前、(医療の取材で訪れた)大崎病院東京ハートセンターの売店で買った思い出の品です。当時センター長をしていた猫好きな心臓外科医が描いた“術衣を着た猫”がプリントされたレアなTシャツ。人の心臓の取材時に「先生、猫お好きなんですね」と猫話で盛り上がり、お土産に買わせてもらいました。

 ハンガー2本とTシャツのほか、必要なものは、段ボール、ニッパー(ペンチ)、きりや画びょう、ガムテープ、はさみ、それに安全ピンか糸と針。

「いいもの作るから待っていてねー」と、私ははっぴーに声をかけました。

「ほら、フックを切ったらハンガーを曲げるんだよ」
「ほら、フックを切ったらハンガーを曲げるんだよ」

作り方は簡単だけど

作り方 
 ① 土台となる段ボールを四角に切る(猫が入れる大きさ、1辺が40㎝程度)
 ② ハンガーのフック部分をニッパーで切る
 ③ 切ったハンガー(針金)をU字に曲げる
 ④ 土台の四隅に小さな穴を開ける
 ⑤ 針金を土台の穴に差しこみ、先を曲げてガムテープで固定
 ⑥ 全体の形を整えて、針金が交差した部分をガムテープで留める
 ⑦ 骨組みにTシャツをゆっくりかぶせていく
 ⑧ Tシャツの袖と裾を底に折り込んで留める(安全ピンは危ないので糸で留めても可)

 ネットに出ていた情報をアレンジしたものですが、作り方は簡単。でも私は不器用なうえ、少し手をけがしていたこともあり、②と③で壁にぶつかりました。ニッパーで針金がなかなか切れず、(ニッパーの)刃を針金に当ててぐりぐり回すように攻めました。ハンガー2本を切るだけで数十分も…。Uの字に曲げるのもひと苦労でした。

「思ったよりむずかしい、もっと簡単にぐにゃって曲がるかと思っていた」

 挫折しそうになりましたが、じーっと見ているはっぴーのために頑張ることにしました。

 段ボールの四隅に穴を開けてハンガーを通し、Tシャツを骨組みにかぶせることになんとか成功。裏側はガムテープで仮留めしてみたのですが、不格好なテント。「何これ、かっこわるいなあ」。そんなはっぴーの声が聞こえてきそうです。

同僚Oさんが作ったクールなテントをのぞく専務君
同僚Oさんが作ったクールなテントをのぞく専務君

同僚のテントはかっこいい

 ちょうどその時。同僚のOさんからラインが来ました。

「(新型コロナの影響で)保育園が休みになった娘と作りました。意外と形を作るのが難しく、ハンガーをペンチで切るのにも難儀しました」

「ですよね、同じです!」と返信していると、紺のTシャツのテントの写メが届きました。

「何これ、かっこいいなあ」思わずつぶやいてしまいました。

 ぴしっと整ったテントに、Oさんの愛猫、専務君が顔を近づけています。
 同じ方法で作ったはずなのに、こうも出来が違うのでしょうか?わずか30分で仕上げたそうです。私はその倍以上かかりました。

 ゴメンねはっぴー、こんな不格好なテントで。きっと入らないね…

へたれなテントにずんずん入ったはっぴー
へたれなテントにずんずん入ったはっぴー

お尻をふりふりしながら中へ

 ところがです。私が落ち込んでいると、とっとっと、とはっぴーが近づいてきて、テントの入り口に顔をつっこみました。「待ち切れなーい」とでもいうように、お尻をふりふり中に入っていくではないですか。

 そして、狭いテント内で向きを変えて、入り口から顔をひょっこり出しました。

 そういえばはっぴーは猫用の狭いコタツも好きだったっけ。テントに入る姿を見たら、苦労も落ち込みも吹き飛びました。はっぴーは、そのまま1時間近くテントを出たり入ったり。翌朝もソロキャンプを楽しんでいました。
 ちなみに専務君は、テントに顔を近づけただけで、中には入らなかったそうです…。

 結果をおそれずやってみるしかないですね。私は「在宅」中にまた、猫の好奇心を刺激しそうなことにチャレンジするつもりです。

【関連記事】 愛猫に新しい趣味?水槽をじ~っ お魚パラダイスになったわが家 

藤村かおり
小説など創作活動を経て90年代からペットの取材を手がける。2011年~2017年「週刊朝日」記者。2017年から「sippo」ライター。猫歴約30年。今は19歳の黒猫イヌオと、5歳のキジ猫はっぴー(ふまたん)と暮らす。@megmilk8686

sippoのおすすめ企画

sippoの投稿企画リニューアル! あなたとペットのストーリー教えてください

「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!

この連載について
ねこ飼い日記
古い魚屋の天井が崩れ、落ちてきた子猫「はっぴー」。その成長と、引き取った筆者との生活ぶりを同時進行でつづっています。
Follow Us!
編集部のイチオシ記事を、毎週金曜日に
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。


動物病院検索

全国に約9300ある動物病院の基礎データに加え、sippoの独自調査で回答があった約1400病院の診療実績、料金など詳細なデータを無料で検索・閲覧できます。