4匹の保護犬つぎつぎ一時預かり できることを1つずつ続けたい

ソファの後ろの狭いところがお気に入りだった、わが家に来たばかりのROWくん
ソファの後ろの狭いところがお気に入りだった、わが家に来たばかりのROWくん

 パーソナルスタイリストとして活躍し、4匹の犬と暮らしている大日方久美子さんが、保護犬の一時預かりをした経験を語ります。

(末尾に写真特集があります)

 こんにちは。大日方久美子です。新しい年が始まりましたね。

 振り返ってみると、2019年は私の「一時預かり人生」がスタートした年でもありました。合わせて4匹の犬を次々と自宅で一時預かりし、新しい家族を見つけて送り出しました。

 きっかけは昨年4月、モデルの松島花さんがインスタグラムで投稿した、山口県の周南健康福祉センターに収容されている犬が目に留まったことでした。その犬は、4月12日に殺処分されてしまうとのこと。それを知ったのは前日の11日、しかもたまたま仕事で京都に来ていて、翌日は休みでした。12日、朝起きてみたらまだ引き取り手がいなかったんです。それでケージを買って、新幹線で山口へ向かいました。

 山口県の周南健康福祉センターに着いたら、その子は引き取り手が決まって、ちょうどキャリーバッグに入れられて引き出されるところでした。ああ、助かってよかった、よかったって思って、ぱっと奥を見たら、まだいっぱい犬たちがいたんです。

この写真は私の宝物
この写真は私の宝物

 ならば別の1匹を引き出そうと。それで次に殺処分が決まっている子はどの子ですかって聞いたら、ROW(ロウ)くんでした。皮膚病だったし、その時センターにいた犬の中では体も大きくて。この子を置いていったら多分引き取り手はないだろうって。それで引き出すって決めたんです。

 私の家へやってきたROWくん、最初の何日間かは、まあおびえて、うんちももらして。お世話になっている保護団体の人に来てもらい、ROWくんにエリザベスカラーつけて、シャワーを浴びさせて。そしたら疲れ果てたのか、抱っこさせてくれるようになりました。

 そこからだんだんとコミュニケーションをとって、最後にはべったりの子になりましたね。夫のひざに乗っていた我が家の愛犬ヴィヴィアンを「ワンッ」って威嚇して降ろして、自分が代わりに乗ったこともあるんですよ。

 ROWくんが我が家に来て約1カ月後トライアルが決まった、というのとほぼ同時に、明日殺処分されちゃう、なんとか助けられないかっていう子がでてくる。だから、なんかもう運命なんだなって。ROWくんがトライアルに出たから、あの場所が空くなあ、じゃあ次の犬にバトンタッチ、みたいな。

新しい家族の元で幸せに暮らしているキナリ
新しい家族の元で幸せに暮らしているキナリ

 そうやって、ROWくんの後に、山口県からやってきたミルクティー色の犬「キナリ」を預かりました。そしてキナリの譲渡が決まると、多頭崩壊からレスキューされた犬「ニーナ」がやって来て。

 ニーナがトライアルに出た後には、野犬で怖がりの犬「ハナちゃん」を預かりました。そのハナちゃんも、11月に新しい飼い主さんのもとへ送り出しました。この4匹のほかにも、山口県の保健所から引き出された犬「るんちゃん」を羽田空港で受け取り、譲渡を希望していた方にお届けする「命のリレー」に加わる機会もありました。

里帰りしてくれたニーナ!家族が旅行の時などは我が家で預かってます
里帰りしてくれたニーナ!家族が旅行の時などは我が家で預かってます

 最初の一時預かり犬、ROWくんには本当にたくさんのことを教えてもらいましたね。不安なことをクリアしていくという経験や、どうしようと思ったときに、助けを求めることも考えるようになりました。我が家の犬たち、JIRO、ヴィヴィアン、ムーを譲り受けたNPO法人 paw pads代表の濱さんに「もし万が一、何かあったら助けてください」とお願いをして、心のよりどころになっていただいています。

 ROWくんの変化の様子をそばで見守ることができたのは、私にとってかけがえのない経験でした。初めはおびえて怖がるところを少しずつ触れて、手からご飯をたべてくれるようにがんばるとか。ちょっとずつお互いの信頼関係を培っていくというのでしょうか、そういう感覚は今まで味わったことがないものでした。

数ヶ月ゲージから出てこなかったのに、出てきたとたんリラックスできたハナちゃん
数ヶ月ゲージから出てこなかったのに、出てきたとたんリラックスできたハナちゃん

 山口県のセンターに行ったとき、そこにいた全部の犬や猫を助けたいって思いました。でもそれは自分の許容範囲を超えています。最低限、自分でできる範囲のことしかできない。ROWくん1匹だけで、私は他の子たちを見捨てるんだ、とかそんなことを思って動けなくなるくらいなら、出来ることをやろうって。出来ることを1つずつやりつづけようって思いました。

 一時預かりした子を送り出すには、寂しさもあります。一緒にいたいし、本当はできれば私の子にしたい。でも、それはしないって決めたんです。うちには4匹の犬たちがいて、面倒を見られるのは5匹が限度。最後の一枠、5匹目は一時預かり枠に決めました。

 送り出すのがさみしいから一時預かりをしないっていう選択はないです。ある一時期を一緒に暮らして、犬と心を通わすことができて、そしてだれかに引き渡すことができるのは、すごく幸せだと思っています。

 一時預かりするってすごいね、と言われると、ちょっと違和感があるんですよね。私は出来ることしかやってないから。出来る時に、出来る人が、出来ることをやればいいんだと思います。

命のリレーで新しい家族が見つかったるんちゃん(手前)
命のリレーで新しい家族が見つかったるんちゃん(手前)

 保護団体さんが必要としている物資を送るのでもいいし、資金面で協力する方法もありますよね。経験や知識で貢献できる人もいるし、労力を提供出来る人もいる。それぞれが出来ること担えば、揺るがないことができると思います。

 一時預かりした犬を送り出した家族とは、まるで親戚みたいな関係になりました。犬たちとの写真を送ってくれたり、家に遊びに来てくれたりします。

 一時預かりをしたいと思う人は、近くの動物保護団体を探してみて、そこでボランティアに登録してもらうのがいいと思います。保護団体さんのボランティアとして一時預かりをするほうが、慣れている人から教えてもらえるし、やりやすいと思いますよ。

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大日方久美子
ファッションアドバイザー/パーソナルスタイリスト。さまざまな業界を経て2013年に独立。現在はファッションアドバイザーとして、企業とのコラボレーションやパーソナルスタイリストとして活動中。著書に「“エレガント”から作る大人シンプルスタイル」(KADOKAWA)がある。 Instagram  @kumi511976          Official Blog  http://ameblo.jp/findyou-kumi/

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