猫に泣き、猫に癒やされ 「やっぱ、猫じゃけぇ」一家の1年

魚卵姉妹の1匹、亡くなったおこわ似の「イクラ」
魚卵姉妹の1匹、亡くなったおこわ似の「イクラ」

 連載漫画「やっぱ、猫じゃけぇ」が12月で開始から1年を迎えた。その間、作者の大盛のぞみさん一家には愛猫との別れと出会いという、ふたつの大きな出来事が起こった。波瀾万丈なこの1年間を振り返る。

(末尾に写真特集があります)

 大盛さんが、もっとも印象的だったと語ったのは、愛猫「おこわ」との突然の別れ。当時の様子は連載19回「ごめんね、おこわ。ありがとう」にも描かれているが、大盛さんはその時のことを「人生で一番取り乱した」と振り返る。

「おこわは普段1階のリビングで寝ていて、いつもなら朝、私が2階から降りてくると、ドアのところで待っているんです。でも、その日は姿が見えなくて。ごはんを用意しても出てこないから変だと思って探したら、足がけいれんしてソファの下で動けなくなっていました」

在りし日の「おこわ」(大盛さん提供)
在りし日の「おこわ」(大盛さん提供)

 病院で血液検査をしても問題は見つからず、昼過ぎに若干容体が持ち直したため、点滴をしてもらい連れ帰った。しかし帰宅後まもなく、まっすぐ歩けなくなるなど、再び様子がおかしくなり、数時間後、家族がそろうのを待つかのように、ご主人が帰宅した直後に亡くなった。

「翌日にはMRI検査をする予約を入れていたし、呼吸がおかしくなったときも先生に見せなきゃと思って動画を撮って……亡くなるとはまったく思っていませんでした。あまりに急で、びっくりするぐらい体が動かなくなって、しばらく何もできない状態になりました。人生で一番泣いたかもしれないですね」

 火葬後のお骨上げには子どもたちも連れて行った。恥ずかしいのか、親の前ではあまり泣かなくなった小学生の長男も号泣し、その後「今は元気でも、明日はわからないから」と、猫をより一層大切にするようになったそうだ。

今年、大盛家に新加入した魚卵姉妹
今年、大盛家に新加入した魚卵姉妹

魚卵姉妹が癒やしたおこわロス

 ひどいペットロスに陥ってしまった大盛さん。ご主人の同僚から、ブリーダーから迎えたばかりのエキゾチック・ショートヘアの子猫2匹を、3カ月の期限付きで預かることになったのは、おこわを亡くしてまだ日が浅い、約2カ月後のことだった。

「預かったら絶対に情がわいて、返すのがつらくなると思いました。『なんでおこわを見送ったあと、この子たちともサヨナラしなきゃいけないんだよ!』って怒りがあったんですが、ダンナに『見るだけ見て』と言われて……見たら、やっぱりかわいくて」

 結局、元飼い主の仕事の都合で2匹は正式に大盛家の一員になり、「イクラ」「タラコ」の魚卵姉妹になったわけだが、そんな未来を予測してか、2匹は家に来たときから、まったく物怖じもしなかったという。

 性格が優しい「ちくわ」「じゃこ天」の練り物兄弟はもちろん、気むずかしい長老猫「岩海苔」も、1カ月ほどですんなり2匹を受け入れた。

来て間もないころの魚卵姉妹。なぜか2匹ともぎゅうぎゅう(大盛さん提供)
来て間もないころの魚卵姉妹。なぜか2匹ともぎゅうぎゅう(大盛さん提供)

 不思議なことに、イクラは性格や見た目がおこわにとても似ているという。そのことが、おこわロスを和らげるきっかけにもなった。

「最初はイクラにおこわを重ねるのも失礼だと思っていました。でも、この子を見ておこわを思い出して、『おこわは本当にかわいかったな、いい猫だったな』と、いい思い出として振り返ることで、気持ちが落ち着きました。今でもたまに落ち込んで泣いたりしますけど、この子たちがいなかったら、もっとひどかったかも。来てくれて、本当によかったです」

 一方、ユニークな顔の柄が印象的な姉妹猫「タラコ」は、まったくおこわに似ていないとか。

「タラコには全然おこわっぽさは感じないですね。1日1回くらいふわ~とやってきて、なでてもらったら、またふわ~とどっかいっちゃう、ちょっと変わった子です(笑)」

魚卵姉妹のもう1匹「タラコ」。顔の模様のインパクト大きすぎ
魚卵姉妹のもう1匹「タラコ」。顔の模様のインパクト大きすぎ

まさかこんなに猫がかわいくなるとは…

 ほかにも、娘の幼稚園に捨てられていた3匹の子猫を保護・譲渡したり、隣の奥さんと保護した子猫を亡くしたりと、猫にまつわるニュースがいろいろとあったそうだが、この取材の直前にも、ちょっとおもしろいことがあったとか。

「最近ダンナが『うちの猫たちをほめてもらいたい』って、Instagramを始めたんですよ。そしたら、魚卵姉妹のお母さん猫を飼っている方から連絡があったんです。タラコの顔は特徴的だから、ブリーダーのブログを見て覚えていたんですって」

 実は以前、ブリーディングを引退したお母さん猫が新しい家族を探しているという話を、大盛さんは魚卵姉妹の元飼い主から聞いていた。引き取るつもりでブリーダーに連絡したが、ちょうどその日の午前中に飼い主が決まったと言われ、あきらめた経緯があったのだ。そのとき切れたと思ったご縁が、SNSを通じて再びつながった。

 大きな別れを体験しつつ、猫を通じて新しい出会いも広がった大盛さん一家。この1年の体験は「“猫おばさん化”を加速させた」と語る。

「以前は、ノラ猫を追いかける猫好きを見て、『猫ってそこまでかわいいか?』って思っていましたが、今では自分も追いかけてます(笑)。猫は天使じゃないかと思うくらいかわいくてかわいくて、この1年で“猫愛”のレベルがあがりましたね。今年はおこわや保護した子猫とのお別れがあってしんどかったので、来年はみんな健康で過ごせたらいいなと思います」

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