ペット店の子犬にも親がいる 元繁殖犬がようやくつかんだ幸せ

 ペットショップで売られている子犬たちにも親がいる。その親たちはブリーダーのもとで繁殖のためだけに飼われている存在。繁殖犬だったダックスフントが保護団体に引き取られた。

(末尾に写真特集があります)

 大阪で保護活動をしている「あいこのおうち」が2016年秋、ブリーダーから繁殖犬だったダックスフントを引き取った。

「あいこのおうち」は、そのブリーダーから引退した繁殖犬を不定期に引き取って、譲渡している。代表は「ブリーダーは引き取り屋という不要な犬を引き取る業者を利用したこともあったようですが、不定期でも私たちが引き取って犬を譲渡し、それ以上繁殖犬を増やさなければ、繁殖犬は次第に減っていくはずです」と説明する。

腕の中ですやすや
腕の中ですやすや

5歳以上の成犬を希望

 一方、神戸市に住むAさんは2016年1月に、先代のダックスフント、メイちゃんを亡くしていた。13歳11カ月で、腎臓病だったという。秋になって再びダックスフントを飼いたいと思い、インターネットで保護犬を探した。先代はペットショップで買った犬だったが、「テレビなどで保護犬の存在を知り、今度は保護犬を選びたいと思いました」という。

 そこで目にとまったのが、ブリーダーが手放した元繁殖犬だった。犬種はダックスフント、しかも5歳以上の子がいいと思っていたそうだ。

「当時『あいこのおうち』には、ダックスフントが3、4匹いました。ノリに会うまではメイに似た子を探していましたが、ノリを初めて見てピンとくるものがありました。落ち着いた成犬を譲渡してもらいたかったので、7才と言う年齢も条件にぴったりでした」

お散歩って楽しいね
お散歩って楽しいね

一家のアイドルに

 2017年3月、箕面市の公園で開かれた「あいこのおうち」の譲渡会でノリちゃんと対面。その年の4月、すでに7歳7カ月だったノリちゃんを家に迎えたという。

 人慣れしていて、初日からお腹を見せて寝るような犬だった。ただ、お散歩をしたことがほとんどないようで、半年ぐらいは手足を突っ張らせたり、固まって動かなくなったりすることもあった。

「外に慣れさせるため、1日4~5回は散歩に出るようにしました。いまでは散歩もできるようになって、犬のお友達もできました。朝は家族を起こしてくれるし、疲れて帰ってきた時も癒やしてくれます」

 すっかり一家のアイドル、かけがえのない存在になっている。

渡辺陽
大阪芸術大学文芸学科卒業。「難しいことを分かりやすく」伝える医療ライター。医学ジャーナリスト協会会員。朝日新聞社sippo、telling、文春オンライン、サライ.jp、神戸新聞デイリースポーツなどで執筆。FB:https://www.facebook.com/writer.youwatanabe

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この連載について
幸せになった保護犬、保護猫
愛護団体などに保護された飼い主のいない犬や猫たち。出会いに恵まれ、今では幸せに暮らす元保護犬や元保護猫を取材しました。
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