2人の人気猫インスタグラマー SNS活用し「預かり保護」活動

 保護猫を通じて出会った2人の人気インスタグラマー、tomoさん(@tomochunba)とmaiさん(@maihimemoco)。ともにインスタグラムなどのSNSを活用しながら、保護猫と新しい飼い主との縁をつなげる活動を行っている。

(末尾に写真特集があります)

 2人は、保護活動に関わる以前の2014年頃から、インスタグラムで交流を始めた友人同士。tomoさんは先天性心疾患の「こむぎ」くんと過ごした日々を綴り、maiさんは、おしりがプリプリの短尾の白猫「コト」ちゃんが注目を集めていた頃だった。今では互いを“猫変態仲間”と呼び合う仲だ。

maiさんの愛猫「コト」ちゃん。maiさんが販売する「ザビエル首輪」は活動の資金に
maiさんの愛猫「コト」ちゃん。maiさんが販売する「ザビエル首輪」は活動の資金に

自宅で世話しながら譲渡希望者募る

 訪問時、maiさんの家には飼い猫のコトちゃんとモコちゃんのほかに、里親募集中の保護猫が2匹いた。maiさん自身が保護した猫を含めて通算58、59匹目。保護順にならって、名前は「こはる(58)」と「こはく(59)」。交流のある男性写真家ぷんくまさん(@pnkm913)が保護した猫だという。取材から数日後、新しい飼い主のもとへと旅立った。

 2人に共通するのは、猫を保護した個人や団体から猫を預かって、自ら新しい飼い主を探す活動をしていること。自宅でお世話をしながら、インスタグラムやツイッター、ブログで発信して希望者を募る。この方法をtomoさんは「預かり保護」と呼んでいる。

maiさん(左)の自宅で。tomoさん(右)の東京出張に合わせて取材
maiさん(左)の自宅で。tomoさん(右)の東京出張に合わせて取材

 先に始めたのは、maiさんだった。自ら保護した猫たちの譲渡活動も行いながら、知人や母親が保護した猫、行政や保護団体、個人ボランティアのもとにいる猫も預かるようになった。

 そうした活動を見ていたtomoさんも、こむぎくんが亡くなった後、保護猫を受け入れられる環境を整えて、知人以外からの預かりを積極的に始めるようになった。

「不妊・去勢手術をして外でお世話する地域猫活動もあるけれど、最近は、地域猫に対する虐待も起きている。外では何があるかわからないから、できるなら1匹でも多く保護されておうちの猫になってもらいたくて。預かった猫は、自分の家の猫と分け隔てなく可愛がる。もしも里親さんが見つからなかったら、飼い猫として迎える覚悟もする」(tomo)

猫が心を開いていく姿を発信

 インスタグラムを通じて預かり保護をするメリットを、2人はこう話す。

「人を怖がって威嚇する子は、『うちには迎えられなさそう』って思われやすい。でも、預かって、ごはんをあげるだけではなく、遊んで、スキンシップして、猫が心を開いていく姿を見てもらうことで、新しい飼い主さんの家でもスムーズになれさせられるってわかってもらえる」(tomo)

「どんどん表情が変わっていくよね。手のかけがいがあるな〜って」(mai)

「たまらんよね。“猫変態”だからね。最初にシャーシャー言われれば、言われるほどね」(tomo)

「預かってすぐのすっごい怖い顔も、あえてインスタにあげる。『新入りがきました。はい、ヤンキーです。シャーシャー言っています』って。でも、どうせ1ヶ月後にゴロゴロ言ってるんでしょ〜って思う(笑)。絶対に、愛情は伝わる」(mai)

59匹目のこはくくん。maiさんの愛猫「モコ」ちゃんにべったり(maiさん提供)
59匹目のこはくくん。maiさんの愛猫「モコ」ちゃんにべったり(maiさん提供)

 SNSでは顔が見えない相手だからこそ、申し込みがあれば、譲渡基準をしっかりと伝える。完全室内飼いで脱走対策をしてくれること、ワクチン接種を必ずしてくれることなど。一般的な保護団体と同様に、先住猫とのマッチング期間も設ける。

 tomoさんのインスタグラムは、フォロワー数が25万人を超える(取材日時点)。人気ゆえに預かりの依頼を受けているのかと思いきや、自ら地元の保護団体や個人ボランティアに声をかけているそうだ。

「相手が私を知っているかわからないので、自分を信頼してもらうところから。家の間取りや保護部屋やケージの写真を見せたり、自分の仕事の状況を伝えながら、こういう預かりの活動をしています、って。安心してもらうために、譲渡される側と同じ目線に立っています」(tomo)

(左)「しっぽ」くん。個人ボランティアの男性が保護し、tomoさんが預かることに(西村翔さん提供)(右)tomoさん夫妻と愛猫との暮らしの中で、落ち着いた表情に。里親募集中(※取材日時点、tomoさん提供)
(左)「しっぽ」くん。個人ボランティアの男性が保護し、tomoさんが預かることに(西村翔さん提供)(右)tomoさん夫妻と愛猫との暮らしの中で、落ち着いた表情に。里親募集中(※取材日時点、tomoさん提供)

 譲渡後もSNSで繋がることで、新たな飼い主のもとで暮らす猫たちの様子を見守る “後追い”もしやすいという。

「繋がっていることで家族のような付き合いを続けられて、気軽に会って預かり保護をしていたときのことを話したり、アフターフォローもできる。私のもとから2匹目を迎えてくれた方もいて」(tomo)

「知り合いに紹介してくれたりね。迎えた方が新しくインスタのアカウントを作って、私のフォロワーさんといっしょに見守り合えたりもする。最初の頃が嘘のように飼い主さんに甘えているのを見ると、本当によかったねって思う。保護されていなければ、今頃生きてない子もいっぱいいたから……。離れていても、愛おしい」(mai)

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本木文恵
1983年生まれ。編集者・ライター。1級愛玩動物飼養管理士。2007年より猫に関連する雑誌・書籍の編集や執筆を行う。2017年に独立。担当した近著に『保護ねこのきもち(ベネッセ・ムック)』、「with PETs(日本愛玩動物協会の機関誌)『猫を知る』特集号」、『ねこがかわいいだけ展 公式ねこ本』など。愛猫はキジ白と茶白の2匹。人と猫のためのwebマガジン「neco-necco(https://neco-necco.net/)」運営。

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