暴れる猫に「コラッ!」 猫は平気、赤ちゃんはビエーと大泣き

いたずらっ子のあんず(前方)と、いたずらはしない主義のモモ
いたずらっ子のあんず(前方)と、いたずらはしない主義のモモ

 8歳近くになってもなお、パワーが有り余っている我が家のサビ猫「あんず」。少なくとも1日に1度は “暴れん坊タイム”を必要としています。

 狭い部屋の中で、斜めの方向に弾丸ダッシュしたり、“ニャニャニャ!”と興奮気味に鳴きながら猫タワーを登り降りしてみたり、“やっちゃダメ”と言われていることをあえてやったり……という、とても高齢に差しかかった猫のすることとは思えない活発さです。

 その時間は、昼夜問わず、前触れなくやってきます。

静寂を切り裂く、猫のロックショー!

 膝の上にクッションを置き、赤ちゃんを寝かせて授乳していたときのことです。

 生後2か月の我が家の赤ちゃんは、私の膝の上でミルクか母乳をゆっくり飲み、そのままウトウトすることを好んでいました。赤ちゃんは静寂のなか、夢中で哺乳します。我々は哺乳類なのだなぁ……としみじみ思う瞬間です。ウトウトと半分眠りしながら、無意識に口だけ動かしているようで、気持ちよさそう。赤ちゃんにとって、至福の時間と言えます。

 そんなクラシック音楽が流れてきそうな瞬間に、あんずの“暴れん坊ロックンロールショー”が開催されてしまいました。 

 赤ちゃんが熟睡しているときなら、あんずがいくら大暴れしても、赤ちゃんが起きる心配はないのですが、“ウトウト”の時は目覚めてしまわないか、ドキドキしてしまいます。

 ドドドー!と走って、“ニャニャニャ!”でタワー。いつものように暴れまくるあんずを、授乳しながら見守っていると、あんずがキッチンのシンクに登りました。長年“ダメ”と言い聞かせているので、やってはいけないことと分かっているくせに、ロックな時間には歯止めがききません。

 まぁ、危ないものは片づけてあるし、登るくらい何もないのですが、しつけの問題でダメなことをしたときは、すぐにたしなめるようにしています。

あんずが眠っていれば、赤ちゃんも安心して眠れます
あんずが眠っていれば、赤ちゃんも安心して眠れます

暴れ猫に「コラッ!」 すると赤ちゃんが…

 なので、今までと同じノリで「コラッ! あんず!」と声をかけると、あんずは“あ、やっぱり怒られちゃったー”ってな具合ですぐに降り、また弾丸ダッシュへ。毎度同じ反応です。

 しかし、膝の上で至福の時間を過ごしていた赤ちゃんにとっては、初めての経験でした。静寂を切り裂く「コラッ!」。しかも、優しく哺乳させてくれていた母が、いつも1オクターブ高めの裏声で話しかけてくれていた母が、これまで聞いたことのないドスの効いた大声をあげたのです。

 赤ちゃんは体をビクっとさせ、目をパチクリ。一瞬、何が起きたか分からない様子で固まっていましたが、すぐに「ビエーーー!」と大泣きしてしまいました。

「ごめんね~、あなたのことじゃないんだよー、ゆっくり飲んでいいよー」
「ビエエエエエー!!! ウギャー!!!」

 赤ちゃんを安心させるために授乳は中断。しばらく抱っこして過ごしました。

 なので、それ以降は、赤ちゃんをお世話しているときに、あんずがいたずらしたら、優しく「あんちゃん、だめよ(ハート)」とマザリーズ(母親語)で語りかけ、眼光だけは鋭く“オラ、分かってんだろ!?”とにらみを利かせることにしたのでした。

 あんずは、いたずらしていることは自覚しているので、一応やめてはくれますが、“ふーんだ! 怖くないもんねー”という反応をしてきます。

 飼い主としての威厳を損ねている気がしますが、やむを得ません。

(ヤスダユキ)

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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