「コロコロ」は必携 猫アレルギーに負けない愛猫家たちの対策法

ソファでウトウトする島田さんとトラ。マスクなしで眠りこけてしまったら、大変なことになる(島田さん提供)
ソファでウトウトする島田さんとトラ。マスクなしで眠りこけてしまったら、大変なことになる(島田さん提供)

 ゼーゼー、ぐしゅぐしゅ、ゴホンゴホン──。猫アレルギー持ちの愛猫家は結構多い。 己が健康など少々犠牲にしても、キミと一緒にいたいのです。

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 かわいすぎて、思い切り猫を吸ってしまいたい。ニャエラご愛読のみなさまなら、こんな欲望に駆られたことが一度や二度はあるはずだ。何なら肉球ごと前足を甘噛みし、頭からかじってしまいたい。あまり妄想を膨らませすぎてもいけないが、グラスを傾けつつ膝の上に愛猫を乗せて好きな本を読んだり、寝るときに枕元に猫がいてもバチは当たるまい。しかし、猫アレルギーの飼い主が猫と至福のときを過ごすためには、不断の努力が必要なのだ。

キジトラとハチワレに見つめられて

「頻繁に掃除機をかけて、それでも取れない細かな毛をフローリング用のワイパーで拭き取り、コロコロは大きなベッド用とクッションなどファブリック用に複数で使い分けています」

 キジトラのトラ(オス)とハチワレのフク(メス)きょうだいと近畿圏のマンションで暮らし始めて1年になる島田香さん(59)の日々は、アレルゲンとなる猫の皮脂や毛とのたたかいでもある。短時間で全身症状が出るアナフィラキシーショックになったことはないが、掃除を油断したり体力が低下していると、くしゃみや咳、涙が出て粘膜も腫れ、顔がぐしゃぐしゃになる。

 もともと動物好きだった島田さんは小学校高学年のころ、校庭に出入りしていた猫を触って可愛がっているうちに涙やくしゃみが出て猫アレルギーであることを自覚、以来25歳ぐらいまでは猫に近づくとひどい症状が出るため猫を飼うことを諦めていた。しかし結婚して2人の子育ても終え、猫を多頭飼いしている友人宅へ遊びに行った際に、さほどひどい反応が出なかったため、長年の夢だった猫ライフに舵を切った。

 保護猫活動をしている団体を商店街のポスターで知り、そこを訪ねると保護猫が出産したばかりだった。子猫のキジトラとハチワレに見つめられた島田さんは矢も盾もたまらず、里親として手を挙げ、無事審査に合格。仕事で日中家を空けるため、団体からは運動不足解消と夏場の高温対策を求められ、猫タワーを購入して不調だったエアコンも新調した。その間、きょうだいはワクチンや回虫検査を受け、万全の状態で昨夏、新生活がスタートした。しかし。

1歳になったばかりのトラとフク。こんなおそろいのポーズで見つめられたら(島田さん提供)
1歳になったばかりのトラとフク。こんなおそろいのポーズで見つめられたら(島田さん提供)

「若い頃ほどではないものの、やはり猫アレルギー自体は治っておらず、病院で検査を受けたら猫の皮脂がアレルゲンの一つであることがわかりました。仕事が立て込んで忙しい時期は疲労が蓄積して、喘息のような気管がゼーゼーするアレルギー症状も出て苦しみました」

愛猫2匹が寝室のドアをカリカリ…根負け

 夜中に寝室のドアを2匹でカリカリしながら鳴かれると、根負けして同衾してしまうと言う島田さん。それでも1匹は足もとに、もう1匹はベッドから離れた椅子の上で大人しく寝る習慣がついて、症状的にも落ち着いてきたという。

 かく言う我が家も妻が結構な猫アレルギーで、同居する2匹の老猫も普段は居間のソファあたりで寝かせている。しかし、妻が出張時はいそいそと老猫をダブルで寝室に招き入れ、腕枕で至福の眠りに就くのである。もちろん、起床後はベッドをくまなくコロコロがけして丁寧に猫毛や皮脂の除去に努めている。

 医学的な対処方法はあるのだろうか。免疫学の権威、奥村康・順天堂大学特任教授はこう言う。

「猫アレルギーは他の動物と同じように、原因は毛です。ソバアレルギーのように死に至るような重篤な症状にはなりませんが、症状が出ないようにするには猫のいないところで生活するしかない」

 猫好きには耳の痛い話だが、結局大事なのはいかに掃除を徹底するかということだろう。猫との暮らしで得られる癒やしを知ってしまった島田さんも、いまさら猫ゼロ生活には戻れない。

「仕事から帰ると玄関まで迎えにきてくれるし、2、3日出張や旅行に出ると、あの子たちどうしてるかなと里心がついて気が気じゃないんです。かかりつけ医と相談しながら体調を管理して、最近は漢方薬も試したりしてだいぶ落ち着いてきました。猫の吸いすぎで死んだら本望ですわ(笑)」

(編集部・大平誠)

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