初対面の来客にシッポを膨らます愛猫 でも、おやつは大好き
飼い主1人に猫2匹。来客が少ない我が家に、同僚が遊びにやって来ました。愛猫は初めて会う人におびえて、尻尾を大きく膨らませました。それでも大好きなおやつを見ると、吸い寄せられるように態度を変えて……。
「はっぴー」が我が家に来て1年半。人間でいえば、もう20歳になる頃ですが、今まで会ったことのある人はごくわずか。数名の友人と、獣医さん、あとはたまにくるハウスクリーニングの人……。特にこのところ、私とべったりな日々が続いていたので、人見知りになってしまうのではないかと、ちょっと心配していました。
そんなとき、「犬を飼ったことあるけど、猫は触ったことがない」という同僚のIさんが、家に遊びに来てくれることになりました。「はっぴー」はいったいどんな反応をするのでしょうか。
Iさんが部屋に入ってきた途端、「はっぴー」は“誰だ!”というように怪訝そうな表情をしました。と同時に、尻尾がボワーンと膨れあがりました。
「あらー、はっぴーの尻尾ってタヌキみたいなのね!」とIさん。
「いやこれは、おびえて大きくなってるの」
「そうなの? 元々こういう形でなくて?」
毛が逆立って巨大化した尻尾にひたすら驚くIさん。私も初めて見るような太さだったので、「大丈夫?」と心配したほどです。
シャイな年長猫の「イヌオ」は、人の気配を察して、そそくさとベッドの下に隠れてしまいました。若い「はっぴー」も、そのままベッド下に隠れてしまいそうでした。
でも、Iさんがバッグに手を入れて「お土産のおやついる? ちゅ~」と言うと、ピタッと止まって振り返りました。そして、及び腰ながらもIさんに近づき、差し出されたおやつに口をつけました。さらに、おやつのペーストが付いたIさんの手をペロペロ。変わり身のなんと早いこと!
「わぁ、猫の舌ってざらざらしてるのね」
Iさんはオモチャで「はっぴー」と遊びはじめます。遊びの最中、体を撫でられそうになり、「はっぴー」は“待って”という顔をしました。
“この人はおやつをくれる。でも、知らない匂いが毛についてしまう……”
困ったような表情をした揚げ句、寝転んだまま、なんと前脚の肉球をチューチューと吸い始めました。私が抱くと、よくする仕ぐさです。そうやって自分を落ち着かせているのでしょうか。
Iさんが家にいた2時間半の間、「はっぴー」はそばをうろうろし、帰る頃には“どうぞ”と体も触らせていました。一方の「イヌオ」は、ずっとベッドの下にこもったまま。小さい頃からずっと怖がりで、インターフォンが鳴った途端に隠れるので、実はイヌオと対面したことある人は、私以外ほとんどいません。
猫は生後3~9週が、他の動物とのコミュニケーションの仕方を身につける「社会化期」で、その間に人と過ごすことで、社交的な猫に育ちやすいといわれます。それも複数の人に可愛がられた方が、より友好的な猫に育つという報告もあるそうです。
「はっぴー」は兄妹と一緒に生後1カ月で保護され、ボランティアさん宅の3人家族の中で生後3カ月間を過ごしました。代わる代わる可愛がってもらったことで、社会性の素地が育ったのでしょうか。
「イヌオ」も幼くしてレスキューされましたが、拾われてすぐに一人暮らしの我が家にやって来て、あまり人に会わずに育ったため、社交性が育たなかったのかもしれません……。
飼い主以外の人にも懐いて、可愛がられる性格なら、地震などの時にも生き延びる術にきっとなるでしょう。
またIさんに来てもらおう。今度は膝にのって気を許して指吸いを披露するかな? そんな姿も見てみたいと思いました。
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