シニアになって飼った大型犬の子犬 犬仲間との交流が元気の源
昔から大の犬好きだった夫妻は、自身もシニアになったため、シニア犬を飼おうと考えていた。だが、新たに飼ったのは、雑種の大型犬の子犬。しかも2匹。力の強い大型犬の世話は大変だが、犬を通じて人との交流も深まった。
山中で保護された子犬
パンキーとアンナは佐賀県唐津市の山中で保護された。人を怖がらないので、おそらく飼い犬の子だと考えられるという。先にパンキー、その後、アンナも保護され、生後約1カ月半で保護団体「ARK」(大阪府)にやって来て、同じ犬舎で暮らしていた。
大阪府東大阪市に住む山本さんは、大の犬好きで、以前は盲導犬のリタイア犬を飼っていた。ゴールデン・レトリーバーとラブラドール・レトリーバーのミックス犬で、16歳で亡くなったという。そこで、夫妻はかねてから興味のあったARKに散歩ボランティアとして行くことにした。
自身もシニアなのでシニア犬を引き取ろうと考え、ボランティアに行った時も、シニアのいい子に出会えないかと期待していたという。
「老犬の世話をして看取りたいという気持ちもあったんです」
2匹の子犬を一緒に
山本さんは、散歩ボランティアをしている時、無邪気で可愛らしい子犬のパンキーやアンナのことが気になった。しかし、「この年齢から子犬を育てて飼うのは無理。私が欲しいのは子犬じゃない、子犬じゃない。シニアが欲しいんだ」と、何度も自分に言い聞かせたそうだ。半年ほどそんな日が続いたが、ある日、パンキーを東京ARKに連れて行って訓練する話が進んでいると知った。東京に行ってしまう。そう思うと迷いは吹っ切れ、山本さんはパンキーを引き取ることにした。
「確かにシニア犬をもらおうと思っていたのですが、パンキーは子犬なのにでーんと構えていたんです。落ち着いていたので、パンキーに決めました」
そうして5年前の5月、パンキーを引き取った。当時生後6カ月だった。
「アンナは、東京で訓練を受けてトライアルから戻ってきたことを知っていましたが、大型犬2匹は、経済的にも苦しいと思ったのです。迷いに迷って、結局、アンナも引き取る決心をしました。その日はちょうどクリスマス。ARKでは“クリスマスの奇跡”と言われているんですよ。アンナが1歳の時のことでした。アンナは、パンキーに会えて、とても嬉しそうでした」
犬仲間との交流
パンキーとアンナは、ラブラドール・レトリーバーほどの大型犬で、とても力が強い。山本さんは2匹をしつけ教室に通わせ、トレーナーについてもらった。それでもアンナはリードを強く引っ張るので、何度も転んで擦り傷ができた。「やっぱり無理、もうARKに返そう」と思うことが何度もあったという。
大型犬でパワフルな2匹は、可愛いけれど、大変なことも多い。しかし、山本さん夫妻には犬の仲間がいる。自宅母屋と同じ敷地内にある部屋を無償で貸していて、住民みんなが犬を飼っている。仲間と犬の散歩をさせたり、人間8人、犬7匹の大所帯でキャンプに出かけたりすることもあるという。
シニア世代が犬を飼うには、健康でなければならないが、犬を通じて交流もできる。犬仲間との交流があり、安心して犬を飼える良い循環になっていた。
- <パンキー、アンナの出身団体>
- アニマル・レフュージ関西(ARK)
さまざまな理由で保護した犬や猫の心身のケア、社会化トレーニング、里親探しなどを行っています。
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