猫はとても寂しがり屋 心を守るキャットシッターさん

Oさんから送られてきたツーショット写真

 妻は、Oさんのことをとても信頼している。Oさんが初めていらした時、こんな話をしたらしい。

「まず猫と顔合わせ。フードが置いてある場所を確認したり。鍵も渡さなきゃいけないでしょ。安心できる人じゃないとね。すごいなあと思ったのは、Oさんが帰り際に聞いてきたの」

「なんて?」

「もし良かったら靴下置かせておいてもらっていいですかって」

「ああ、におい?」

「そう、慣れてもらうために持ってきた靴下を置いておきたいって」

 Oさんは時々お願いするキャットシッターの方だ。今年の夏は、時代劇の撮影で京都に3カ月滞在した。このくらいになると、妻も猫も一緒に京都に向かう。Oさんにお願いするのは、1泊以上の日程で妻と旅に出るときだ。

 猫は孤高でそっけないというイメージを持った方に時々お会いするが、それは違う。猫はとても寂しがり屋だ。1日の不在は大丈夫な気がする。が、2日は無理だ。不手際から2日空けて帰ったときの猫たちの抗議、それは、様々な形で表れる。どう見てもわざと布団に吐いていたり、延々とまとわりついて鳴いたり、一番こたえるのは、無視。わざと寄ってこない。もののように見つめられる。

 寂しさという言葉は感情を指すが、言い方をかえれば、ストレスなのだろう。いるはずのものが不在であることの。シッターさんは猫の心を守ってくれる。Oさんは言う。「もし、親戚の方とかで私より長く滞在できる方があったら、猫のためにそちらに頼んであげてください」。とても真摯(しんし)に猫のことを思う言葉だ。

 旅先には、その日の猫たちの様子がOさんからスマホに送られてくる。ほっとする。本日掲載の写真はOさんからのもの。Oさんは、1日に何軒も回られ、必ずそこで猫の写真を撮っている。街の岩合光昭さんというか、さすがだ。こんなに見事なツーショットはなかなか撮れない。

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犬童一心
1960年東京生まれ。映画監督。主な監督作品に「金魚の一生」「二人が喋ってる。」「金髪の草原」「ジョゼと虎と魚たち」「メゾン・ド・ヒミコ」「のぼうの城」など

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この特集について
遠い目をした猫
「グーグーだって猫である」などを撮った映画監督で、愛猫家の犬童一心さんがつづる猫にまつわるコラムです。
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