子犬子猫のしつけ 飼い主に指導 教育アドバイザー養成講座
(公社)日本動物病院協会では2006年に子犬教育について飼い主指導できる動物病院スタッフを育てるために、パピーケアスタッフ養成講座をスタートしました。現在、(公社)日本動物病院協会の認定パピーケアスタッフは全国の動物病院で活躍しています。犬のしつけについてはドッグインストラクターやトレーナーなど多くのプロがしますが、猫に関して身近に相談する人が少ないため、本年度より講座名を「こいぬこねこの教育アドバイザー養成講座」と変更し、猫に関する内容を充実させ、子猫教室に関する情報も提供していくことになりました。
また、対象も動物病院スタッフ以外の子犬子猫に関わる職種の方を受け入れることになりました。
発達期の教育が大切
古くから人と共生してきた犬や猫は、飼い主の家族の一員として互いに愛情を持って暮らすことができるすばらしい動物です。ただし人とは違う動物種であるため、彼らの習性を理解して飼育する必要があります。人とは違う動物であることを認め、動物福祉の5原則にあるようにその動物種らしい行動がとれるよう配慮しなければ彼らが本当の意味で幸せな状態とは言えません。
近年、急速な人のライフスタイルの変化により、犬や猫が人間社会に順応することが難しい社会環境となっています。正常行動を表出できない動物はフラストレーションが溜まり、攻撃行動や同じ行動を繰り返し続ける常同障害などの問題行動を起こしやすくなります。彼らにとって必要な生活環境や日課を、人にとって不都合でない形で提供することが大切です。
また、いかに人と暮らしてきた歴史が長い犬や猫であっても、生まれつき人の家族の一員として暮らす準備ができているわけではありません。彼らの脳が柔軟な発達期に人の家族として暮らす準備をする必要があります。適切な生活環境を与え、発達期に必要な教育を行うことで問題行動を予防し、双方が幸せに暮らすことができます。
犬や猫を教育するには脳機能が柔軟な社会化期を含む成長期が望ましく、成犬成猫になってしまってからでは大きく変化させることは困難です。いわゆる問題行動もその多くは成長期より少しずつ出始めています。問題行動を予防するとともに、出てきた問題は早期に発見して解決しておくことが大切です。
動物目線で行動の意味を理解して
さらに重要なことは、子犬子猫期に飼い主と良い関係を築いておくことです。飼い主との間に親子のような絆が生まれれば、飼育放棄することはなくなり、不幸な動物を減らすことにもつながります。飼い主は犬や猫を擬人化して捉え、彼らの気持ちを誤解していることが少なくありません。犬や猫の行動の意味を動物目線で理解してもらい、適切な対応を知ってもらうことで飼い主とペットの関係は驚くほど良くなります。
長年パピークラスをして感じることは、パピークラスに参加した犬たちが飼い主にとても大切にされていることです。ご自身の犬を愛おしそうに見つめたり、抱き寄せたりする姿を見ると本当に幸せな気持ちになります。
「不幸なペットを減らすには幸せなペットを増やすこと」が一番の近道です。ワクチン接種やフィラリア予防をするようにすべての動物病院で、またすべての子犬子猫に関わる現場で子犬子猫教育を行うようになれば、幸せなペットが増え、不幸なペットが減るにちがいありません。
本年度のこいぬこねこの教育アドバイザー養成講座は10月17日(東京)10月18日(兵庫)で始まります。対象は動物病院スタッフおよび子犬子猫のしつけなどに関わる職種の方です。詳細はこちら→https://www.jaha.or.jp/training/seminar/puppy/
一般の飼い主様は全国のこいぬこねこ教育アドバイザーにお問い合わせください。一般の飼い主様はこちら→https://www.jaha.or.jp/training/seminar/puppy/staff-list/
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。