猫は病院が苦手 ストレスの少ない通院の仕方と、入院の備え
多くの猫にとって、「病院」は嫌な場所です。しかし、体調が悪くなったら動物病院に連れて行かないわけにはいきませんし、高齢猫(老猫)にとっては健康維持のための健康診断も大切です。病院嫌いだからといって、通院を避けることはできません。そこで、猫になるべくストレスを与えずに動物病院に連れて行く方法や、入院時の心得など、ポイントをご紹介します。
通院のストレスを減らすポイント
猫を安全に病院へ連れていくためには、ペットキャリーに入れるのがおすすめです。しかし、猫は普段、「ペットキャリーに入る」という習慣がありません。そのため、「ペットキャリーに入る=嫌な所(病院など)に連れて行かれる」と思い、大きなストレスを感じたり、キャリーに入ってくれずに逃げてしまったりすることもあります。
ペットキャリー好きにするには
このような事態を防ぐためには、普段から家の中にペットキャリーを置いて、中に入ったときにお気に入りのおやつをあげたり、おもちゃで遊ばせたりして、ペットキャリー自体を「お気に入りの場所」として認識させておくことが効果的です。その際には、プラスチック製など、爪がひっかかりにくい素材で、少し大きめの物を用意してください。また、横だけでなく、上からも出入りができるタイプだと猫の出入りがスムーズになります。
待合室にいる時間を減らす工夫を
いろいろな人や動物が行き来する動物病院の中で長時間過ごすのは、高齢猫にとっては大きなストレスになることもあります。順番が来るまでは車の中で待ったり、診察予約をしておいて、時間ぴったりに行ったりする、または、かかりつけの動物病院の比較的空いている時間帯を確認しておくなど、できるだけ短時間の滞在で済むように工夫しましょう。
夜間に病院に行かねばならない時の備え
猫と長く過ごす間には、突然体調が急変したり、緊急で病院に行く必要が生じたりすることもあるでしょう。人間なら救急車を呼べても、猫にはそのようなシステムはありません。飼い主さんが猫の体調を日頃からよく見ておくことと、緊急時に診てもらえる近隣の夜間対応の動物病院を調べて知っておくことが大切です。あらかじめ、近所の動物病院の場所や対応時間、休診日などについて調べておくようにしてください。
また、かかりつけ医とは別の夜間病院に行くときのために、薬や病気などのデータをまとめた「通院ノート」や「健康管理ノート」を作っておくと、スムーズに診察が受けられます。
なお、動物病院によっては、診療時間外であっても、カルテがある猫については診察を受け付けてくれる場合もあります。深夜の場合は難しい可能性が高いものの、診療時間を少し過ぎてしまっているという程度であれば、「まずは猫の状態をよくわかっている、かかりつけ医に相談する」というのも一つの方法です。
入院しなければならない時のポイント
猫の体調が悪化してしまった場合は、入院が必要になることもあります。しかし、体調を崩した猫にとって、「具合が悪いのに、飼い主さんと離されて知らない場所で過ごさなければいけない」というのは大きな不安、ストレスを伴います。
飼い主さんのにおいがする毛布やタオル、普段から使っている食器などを用意して、少しでも環境の変化を少なくしてあげましょう。看護師や獣医師に、猫が普段どのように過ごしているのか、どのようなことにストレスを感じるのかといった性格についての説明をしておくと、それに応じた配慮をしてもらえるはずです。
入院には飼い主の心の準備も必要
猫が入院するとなると、飼い主さんは猫の様子をリアルタイムで知ることができなくなります。もしも、体調が急変したときに、病院からどこに連絡をもらうのかについても、病院と打ち合わせをしておきましょう。また、家族間でも、いざというときに誰がどのような行動をとるのか相談をしておくと安心です。
入院で想像以上の医療費がかかることも
猫には人間のように健康保険制度がありませんから、医療費は全額を飼い主が負担しなければいけません。そのため、入院や手術を行うことになると、想像以上に高額な医療費が発生することもあります。入院をする場合、猫の過ごし方や入院生活へのサポートについて考えるとともに、いくらくらい費用がかかるのか、また、かけられる時間や金額はどのくらいなのかについても検討しておかなければいけません。獣医師とよく相談して、後悔のない治療方針を選択しましょう。
不意の出費に備えてペット保険も
猫に健康保険はありませんが、任意で加入できるペット保険があります。月々保険料を支払うことで、病院で治療を受けたときに、補償分が減額されたり、手術一時金や入院給付金などが受け取れたりと、飼い主の負担額を減らすことができます。
加入条件や保険料、給付条件などは、保険会社によって細かく異なります。加入を検討するときは、月々に必要な保険料だけでなく、どのようなときにどんな給付が受けられるのか、給付申請はどのように行うのかなど、内容についても吟味するようにしてください。
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