沖縄の「てんぷら島」は、ふっくら猫が集まる猫島

　天ぷらは、沖縄のソウルフード。県民にとっては定番のおやつでもあります。いわゆるサクサク、カリっと上品な普通の天ぷらとは少し違って、卵をたっぷり使った衣は、ぽってり分厚く、味が付いていて、ボリューム満点！ 那覇空港からドライブすること約40分。

（末尾に写真特集があります）

　沖縄本島南部・南城市の南端にぽっこりと浮かぶ小さな島「奥武島」は通称・てんぷら島と呼ばれています。

　奥武橋を渡ってすぐ左手にある美しい「奥武ビーチ」で、人懐っこい猫たちから歓迎を受けて気持ちが盛り上がります。レンタカーを置いて猫と戯れてひと休み、夏はのんびり海水浴に来たくなるビーチです。

　お目当ての「大城てんぷら店」で注文書にオーダーを記入しお会計をしたら、番号札をもらってしばし待機。揚げたての天ぷらを待つ間、退屈はしません。ここにも人懐っこい猫がたくさんいるんです。何匹いるのか数えていると、奥の路地からも天ぷらのおこぼれを貰いに？ わらわらと出没！ みんなご飯はちゃんと貰っているのに天ぷらは別腹なのでしょうか。

　島の名産アーサの天ぷらは口に入れた瞬間に一気に磯の香りが広がる絶品。お店オリジナルの、紅いも・紅あずま・田いもの３種の芋を練り合わせた「うむにーてんぷら」ももっちり食感で癖になりそう。他に｢ポーク卵おにぎり｣や｢ぜんざい｣などもあり、店舗前に用意されたテーブルセットで、猫たちの熱い視線に囲まれながらの食事が楽しめます。

（写真・文 芳澤ルミ子）