高齢猫(老猫)のトイレ ストレスなく使え、ケアも考えて

 若いうちは問題なく出来ていたことも、高齢猫(老猫)になり、老化がすすむと、難しくなる場合があります。排泄もその一つ。しかも生涯続きます。猫と飼い主さんの両方がストレスなく快適に暮らし続けるためには、トイレのケアは避けては通れません。高齢猫(老猫)向けのトイレについて解説します。

猫トイレの形はいろいろ

 猫のトイレには、上から出入りするものや、シンプルな形のもの、天井がついたドーム型のものなど、いろいろなタイプがあります。家に来たばかりの猫のトイレをどうするかは、その猫の好みや家の事情に合わせて選べばいいでしょう。しかし、高齢になると、これに加えて「猫の身体能力」や「排泄状態のチェック」についても意識しなければいけません。

屋根付きにはデメリットも
屋根付きにはデメリットも

高齢猫におすすめのトイレとは

 例えば、上からしか出入りができないタイプなどは、足腰の弱った高齢猫には向いていないでしょう。また、通常のトイレも猫砂がこぼれないように、ふちが立ち上がってケース状になっていますので、猫がうまくまたげなかったり、足腰に負担がかかったりするようであれば、トイレのまえにスロープやステップを用意してあげるのがいいでしょう。特に、滑りにくく、爪に優しい素材が使われた専用の台がおすすめです。

 また、屋根付きのトイレには、砂が飛び散りにくいというメリットがありますが、排泄中の様子を飼い主さんがチェックしづらいというデメリットもあります。高齢猫になると、便秘や血尿など、排泄に関するトラブルも増えてくるでしょう。排泄の様子を確認するためには、オープンなタイプのトイレがおすすめです。

猫砂の選び方も大事

 猫砂には、紙系や鉱物系、おから系など、さまざまな素材のものがあります。猫によって好みの砂は異なりますから、猫が好むものを用意してあげてください。

 ただし、おしっこをかけることで変色する猫砂も中にはあります。色が変わると、本来のおしっこの色がわかりにくく、体調の変化に気付けない可能性がありますので、白いもののほうがおすすめです。

 また、「1週間掃除をしなくていい」というようなタイプのトイレも、「いつ不調が起こったのか」に気付きにくいため、高齢猫にはおすすめできません。

 高齢猫と暮らす飼い主さんにとって、排泄の様子は、健康状態を知るための重要な情報のひとつです。猫が年老いたら、トイレの形と同様、猫砂も「健康チェックがしやすいかどうか」という観点で選びましょう。

トイレの置き場所にも配慮を
トイレの置き場所にも配慮を

トイレはどこに置くべきか

 猫のトイレは、落ち着いて排泄できる場所に設置するのが基本です。洗濯機の横などの大きな音がする場所や、人の出入りが多い場所などは、あまりトイレに向いていないといえるでしょう。

生活のスペースを考えて

 猫がふだん、主に家のどこで生活するかは、ある程度決まっているものです。高齢猫になると、遠く離れた場所へ移動するのがおっくうになったり、移動そのものが困難になってきたりします。そのため、生活スペースからあまり離れた場所にトイレを置くのはおすすめできません。例えば、日頃リビングで過ごすことが多い猫であれば、リビングから見える位置にひとつトイレを作っておくなど、行動範囲の中にトイレを設置してあげましょう。

 また、夜間にトイレに行きたくなることもあるでしょうから、夜、真っ暗になってしまうような場所も避けるようにしてください。テレビの待機電源の光など、わずかでも光源がある場所にトイレを作ってあげましょう。

トイレの場所を変えるときの注意点

 猫はささいな変化にも敏感な生き物です。

 突然、トイレの場所を変えると、「トイレの場所が変わった」ということ自体がストレスになりかねません。ベッドの近くにトイレを作ってあげたい場合や、普段使っていたのとは違う形のトイレを用意したい場合は、これまでのトイレに追加する形で新しいトイレを設置してください。

 スムーズに新しいトイレを使ってもらうためには、これまでのトイレに入っていた猫砂を新しいトイレにも混ぜてみるのがおすすめです。

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東京猫医療センター(東京都江東区)院長。JSFM(ねこ医学会)CFC理事。 北里大獣医学部卒。2005年から猫専門病院長を務める。2012年に東京猫医療センターを開院。2013年、国際猫医学会からアジアで2件目となる「キャット・フレンドリー・クリニック」のゴールドレベルに認定される。

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この特集について
高齢猫との暮らし方
室内飼いが増え、猫も長寿に。高齢猫と長く幸せに暮らす方法や、万一の時の対応について、猫専門の獣医師が解説します。
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