犬がしっぽを振るのはなぜ? 自分の気持ちを表している! その意味をQ&Aで解説
Q. この前、公園に行ったらイヌがしっぽを振って飼い主と散歩してて、かわいかったな。
A. へぇー。どんなふうに振ってたのかな。
Q. そこが気になるの? うーん。たしか、ピンと上がってて、左右に大きく振っていた気がする。
A. 最近雨が続いたから、久しぶりの散歩で楽しかったのかもね。
Q. イヌはしゃべれないのに、なんで気持ちがわかるの。
A. しっぽの動きから推測できるのよ。イヌは人間と同じで社会性が高い生きものだからね。仲間同士や人とコミュニケーションを取るのがうまいんだよ。
Q. 例えば?
A. 通常の位置から、しっぽが上がっているか、下がっているかを見るの。上がっていると「楽しい」や「うれしい」などの状態。逆に、下がっていると「おびえ」や「不安」といった気持ちの表れで、後ろ足の間にしっぽをしまうときは、相手に対して「逆らいませんよ」と服従する気持ちなの。
Q. へー。でも、違うときに見たイヌはしっぽを高く上げていたけど、他のイヌをにらんでいて、うれしそうには見えなかったけど。
A. いいところに気付いたね。「警戒」の場合、上がるときも下がるときもあるの。
Q. どうやって見分けるの。
A. 目つきや耳、毛が逆立っているかなど、他の部分と合わせて判断するの。しっぽを振ると喜んでいると思われがちだけど、必ずしもそうではないんだよ。
Q. 普段から下がっているイヌもいるよ。
A. よく見てるね。イタリアングレーハウンドやシェパードなどがそうね。ダックスフントやゴールデンレトリバーは水平くらいで、プードルやビーグルなどは普段から上がっている。犬種によって違うから、通常の位置からの変化を見てね。
Q. 振り方は。
A. 速いと興奮していて、ゆっくりだとリラックスしていると言われている。こんな研究もあるよ。イタリアの研究者たちが、相手によってイヌのしっぽの振り方が変わるかを調べたところ、ネコが相手の場合は振り幅が小さく左右ほぼ同じだった。ただ、相手が威圧的なイヌだと、しっぽの振り幅は左側に大きかった。飼い主の場合は、右側に大きかったんだ。このように、生きものの行動を研究する学問を動物行動学というの。
Q. おもしろいね。
A. しっぽには他にも役割があって、走るときのバランスをとったり、寝るときに体に巻き付けて暖をとったりすることにも使えるよ。
(取材協力=日本動物病院協会認定家庭犬しつけインストラクターの西川文二さん、東京農業大学の増田宏司教授、構成=戸田政考)
<グラフィック・下村佳絵>
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