愛猫が禁断の部屋に侵入! ベッドの端っこで「ニャー」
先日、サビ猫のあんずが、やらかしました。あんずにとっては、“達成”ともいえるかもしれません。
やらかしたと言っても、あんずが寝室のベッドの上にいた、ただそれだけのことです。猫の住む一般のご家庭であれば、通常のことでしょう。
しかし我が家では、猫が寝室に入ることを禁止しています。
理由は、私の猫アレルギー。猫と平和に暮らすためには、やむを得ない決まりなのです。
アレルギーでない夫は、うっかりソファで寝てしまい、そのまま朝を迎えることが多々あるため、その際、存分に猫と一緒に眠っています。
猫たちにとっての寝室とは、自分たちは入ってはならないけど、人間たちは夜が更けるとその部屋に引っ込んでゆき、朝になるとその部屋から出てくる…、というどこか謎めいた場所のためか、興味津々のようです。
実際の寝室は、そもそも狭い上に、服などの物にあふれているし、異常に日当たりも良く蒸し暑いので、猫らにとって楽しいことはないはずです。
猫らには「寝室に入ってはいけない」ときっちりしつけてあり、ドアが開いていても、私が近くにいれば、怒られることが分かっているので、部屋をのぞくだけで入ろうとはしません。
しかし、猫らは寝室に入りたいという野望は捨てていないのです。
野望を抱くこと、夢を諦めないこと、それは素晴らしい精神だと思うのですが、こればっかりは、認めるわけにはいきません。
寝室のドアは引き戸なので、賢いサビ猫のあんずは、お手々や顔を使って、簡単に開けてしまいます。
なので、引き戸の前には、可動式ではあるものの、猫は動かせない重たい台を置きました。それでも、その台に乗れば結局引き戸を開けることは容易なので、その上に買い置きしているペットボトルの水を置いています。
これはなんとも、見栄えが悪い。オシャレさとは程遠いライフスタイルを自認しておりますが、寝室の前が“猫除け”のペットボトルだらけ、というのは、なんとも言えない状態です。
あんずが“やらかした”とき、私は入浴中で、何やら騒ぐ声と物音が聞こえました。
まぁ、いつもの単独ハッスルだろうと思って風呂を出ると、あんずがいません。
胸騒ぎがしてふと寝室を見ると、引き戸が少し開いています。
ま、まさか……。
扉を開けると、あんずがベッドの端っこにちょこんと座って、「ニャー」と満足気にしていました。
「ああー、あんずちゃん! ダメなのよ~、ダメダメ」
そう言いながら、あんずを追い出すと、あんずは“やっぱ、ダメだった?”というような顔をして「ニュー…」と言いながら、スゴスゴと寝室を出ていきました。ベッドの上にいたとはいえ、遠慮がちに隅っこにいたのは、あんずのかわいいところです。
その日は、ペットボトルを消費してしまっていて、台の上に猫が登れる状態になっており、引き戸も微妙に開いていたのかもしれません。私のミスが原因なので、強く叱れませんでした。
あんずは、寝室を出てからも“悪いことしたかな~”みたいな態度で、少し大人しい様子です。
しかし、寝室に入るという野望を果たし、さらには最難関といえるベッドの上で寝ることまで達成できたのだから、もっと堂々としてほしい…。でも、シーツは洗濯したものに替えさせてもらうし、明日は布団を干しますからね、と複雑な心境であんずをナデナデしたのでした。
(ヤスダユキ)
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