猫の血尿、便秘、下痢… うんちやおしっこをよく観察しよう
猫は自分の体調不良を隠そうとする動物です。そんな猫の飼い主にとって、排泄物は大切な健康のバロメーターになります。体調の変化を素早く察知し、原因を知るために、普段から「いつもの排泄物の状態」や「排泄の様子」についてチェックしておきましょう。ここでは、そんないつもと違う排泄についてご紹介します。
おしっこの色が赤い
おしっこの色は、通常は黄色です。しかし、病気になることで、おしっこがオレンジ色や赤色になることもあります。このような色のおしっこが出たときは、猫を病院へ連れていく必要があるでしょう。
尿が赤みを帯びる原因
オレンジ色のおしっこの原因は肝臓の機能低下、赤色のおしっこの原因は血尿の可能性があります。
どう尿をチェックするか
おしっこをかけると青色に変わる猫砂などを使っていると、おしっこの色の変化に気付きづらいことがあります。猫の体調をチェックするためには、おしっこそのものの色がわかる白っぽい猫砂が便利です。また、排泄をした後で、お尻をティッシュペーパーで拭くことでも、おしっこの色を確かめることができます。
また、色だけではなく、おしっこをしているときに、猫が痛そうな様子を見せたり、おしっこがなかなか出なかったりすることもあるため、トイレの中での様子もあわせてチェックしてみてください。
便秘になったら
猫の便秘はさまざまな要因から起こります。便秘になったときに、何が原因なのか、いつから便秘なのかがわかるように、日頃からうんちの回数や量などを含めて、猫の様子をしっかりと知っておくことが大切です。
便秘は何が原因で起きるか
猫の便秘の原因として挙げられるのは、以下のようなものです。
・運動不足
・水分不足
・代謝異常
・トイレが不潔な場合などの精神的な理由
・巨大結腸症などの腸の病気によるもの
・直腸周辺の腫瘍によるもの
・骨盤狭窄などによって通り道が狭くなったとき
病院に連れて行く判断基準
3日以上便秘が続く場合は、病院で治療を受ける必要があります。猫にとっても、なかなかうんちが出ないのは不快なものです。放置せずに、病院で適切な処置を受けさせるようにしましょう。
下痢も油断は禁物
下痢は、猫によく見られる体調不良のひとつですが、場合によっては命に関わる可能性もあるため、油断は禁物です。
考えられる下痢の原因
子猫は特に下痢になりやすいものです。食事や環境の変化でもすぐに下痢をしますから、キャットフードの切り替えは少しずつ時間をかけて行う必要があるでしょう。
また、感染症が原因で下痢をすることもあります。免疫力が低い分、成猫よりも感染症にかかりやすく、重篤化しやすいため、注意が必要です。
一方で、成猫の下痢は、消化器や膵臓、肝臓などのトラブル、甲状腺機能亢進症などの原因が考えられます。
下痢が長引くときは、原因の特定のために、うんちを持って動物病院へ行きましょう。排便後、できるだけすぐにうんちを採取し、密閉容器に入れて病院へ行くようにしてください。
トイレ以外で排泄してしまったら
今まではきちんとトイレで排泄ができていたのに、突然トイレ以外で排泄をするようになってしまった場合、何らかのトラブルが発生していると考えられるでしょう。やみくもに叱ることでは改善できません。
原因は病気かストレスか
トイレ以外での排泄は、尿路結石などの病気が原因となっていることもあります。おしっこをするときに痛みがあるため、うまくトイレで排泄できなくなってしまうのです。排泄時に痛そうにしていたり、おしっこが少ししか出なかったり、血尿が出たり、など、異常が見られる場合は病院へ連れて行きましょう。
また、トイレが汚かったり、場所が嫌だったりといった理由のほか、「トイレにいるときにたまたま嫌なことがあった」といったことも、トイレ以外での排泄の原因になります。
排泄は猫からのサイン
猫と快適な生活を続けるためにも、猫の排泄の様子や排泄物をよく観察し、異常を感じたら獣医師ら専門家の意見を聞いてみましょう。
排泄が通常どおりなのか、そうでないのかは、猫が教えてくれる健康状態の合図ともいえるのです。
監修:服部幸
発行:洋泉社
価格:1500円+税
A5、160ページ
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