腫れ物は腫瘍の可能性も 抜け毛、やせる…猫の異常への対処法
見慣れたはずの猫の体が、なんだかおかしい……。猫との長い生活の中で、そんな風に感じることもあるでしょう。そういう時に、どのような対応をすればいいのか。知っているか知らないかでは大きく違います。ここでは、おなかが膨らんでいたり、抜け毛があったり、急にやせたりといった猫に異常な症状が表れた時の対処法をご紹介します。
腫れ物には悪性腫瘍の可能性
猫の体表にできる腫れ物は、犬にできる場合に比べて、悪性の腫瘍である可能性が高いといえます。そのため、腫れ物に気付いたら、すぐに病院へ行って検査を受けましょう。また、腫れ物がその場所以外にもできてしまっていないか、触ったときに痛がるかどうか、猫が普段その部分を気にしているかどうかなど、チェックしておくと、診察がスムーズです。
早く腫れ物に気付くために
猫とのスキンシップは、飼い主さんにとっても猫にとっても幸せなひと時です。そんなスキンシップの時間を利用して、猫の体を隅々までチェックしてみましょう。毎日のスキンシップのときに、意識して猫の体を触るようにしておけば、腫れ物などにもすぐに気付くことができます。
もしも悪性腫瘍だったら
腫れ物が悪性腫瘍であった場合、人間同様、外科手術や抗がん剤、放射線による治療が行われます。治療法によっては、その治療を行える病院が限られたり、治療費が高額になったりする可能性もあります。治療方針を早期に定めるためにも、早急な診察で原因を突き止めることが大切です。
おなかの膨らみにも腫瘍の可能性
おなか全体が膨らんでいる場合は、肥満の可能性が高いでしょう。太りすぎは、即座に治療が必要な病気というわけではありませんが、人間同様「万病の元」ですから、適切な体重管理が必要です。
一方、おなかの一部だけが膨らんでいるときは、腫瘍によって内蔵が肥大している可能性や腹水が貯留している可能性があります。
また、避妊手術をしていない猫のおなかが膨らんできた場合は、妊娠の可能性もあります。交尾の機会があったときは、妊娠しているかもしれません。
病院に行くときには
病院に行く際には、いつ頃からおなかが膨らんできたのか、おしっこやうんちの状態は通常どおりか、食欲はあるか、だんだん膨らみが大きくなっていないかといったことを確認して、病院へ連れて行ってください。
膨らみが気になるからといって、むやみに触ってしまうと、腫瘍が破裂するおそれもあります。必ず獣医師の診断をあおぎましょう。
急激な抜け毛は注意を
猫は、春と秋の2回、換毛期を迎えます。この時期は、通常よりもたくさんの毛が抜けるのが自然です。また、換毛期以外でも、猫の毛は毎日抜け、生え変わっていきます。このような抜け毛は、特に心配のないものです。
しかし、皮膚が見えてしまうほど急激な抜け毛が起こった場合は、感染症やアレルギーが原因となっている可能性がありますので、注意が必要です。
感染症などの可能性
抜け毛のよくある原因に、感染症や腫瘍、アレルギー性皮膚炎が考えられます。
また、猫は繊細な生き物ですから、ストレスによって抜け毛が起こることもあります。
脱毛箇所を確認
抜け毛が起きたときは、猫が過度なグルーミングを行っていないか、脱毛箇所に赤みがあるかなどについて確認し、動物病院で診察を受けましょう。
急激にやせたら、病気の可能性
猫の健康なときの体重や体形を知っておけば、ちょっとした変化にもすぐに気付くことができます。1ヵ月間で、健康時の体重の5%以上やせてしまった場合は、病気の可能性がありますので病院へ行きましょう。特に、食事量を変えていないのに体重が減っているときは注意が必要です。
食欲のチェックを
急激な体重変化が起こったら、食欲の有無や、水を飲む量が変化していないか、異常に元気になっていないか、かかとをついて歩いていないかなどをチェックしましょう。
病院に行った際には、普段と違うところを伝えることで、診断の確実性を上げることができます。
監修:服部幸
発行:洋泉社
価格:1500円+税
A5、160ページ
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