猫の脱毛 ストレスやアレルギー…病気がひそんでいることも

(写真は本文と関係ありません)
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Q:保護施設からきた推定6歳の猫の一時預かりをしています。うちに来た当初から脚、おなか、お尻の毛がはげていて、3カ月たったいまも治りません。猫の脱毛について教えて下さい。(宮崎県・女性)

A:脱毛の原因は様々、まずよく観察を

 毛が抜ける場所、皮膚の状態、かゆみの有無などをまずよく観察する必要があります。猫にも毛の「抜けかわり」があり、普通は春ごろによく見られます。この季節にまんべんなく毛が抜け、ほかに異常が見られない場合、心配しなくていいでしょう。

 一方で、皮膚の病気や寄生虫の感染、精神的な要因によっておこる抜け毛があります。ほぼ左右対称に毛が薄くなるようなら、「猫対称性脱毛症」と呼ばれる病気です。原因は様々ですが、主に腰や太もも、股の内側が脱毛し、皮膚をなめ続ける症状がみられる場合は精神的要因の可能性があり、これを「心因性脱毛症」ともいいます。何がストレスの原因になっているのかを調べ、環境を改善してあげましょう。不安を軽減するため、抗うつ剤を使用するケースもあります。

 かゆみが強そうだったり、皮膚が赤くなったりしていれば、ノミや食べ物によるアレルギー疾患が考えられます。このケースでは左右対称に抜けるとは限りません。アレルギーのもとを特定するところから治療が始まります。

 まれに、糖尿病や甲状腺機能亢進(こうしん)症など内分泌疾患が原因になっていることもあります。原因不明のまま脱毛が続く時には、血液検査をしましょう。

 病気による抜け毛は、治療に数カ月を要することもあります。飼い主は根気強く、病気に向き合ってあげる必要があります。

山根義久
1943年生まれ。動物臨床医学研究所理事長、倉吉動物医療センター・米子動物医療センター 会長、東京農工大学名誉教授。医学博士、 獣医学博士。2013年まで日本獣医師会会長を務めた。
この特集について
診察室から
動物臨床医学研究所の理事長を務める山根義久獣医師が、ペットの病気に関する質問にわかりやすく答え、解説するコラムです。
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