知っておきたい災害への備え、避難 子犬の安全を守るために

 災害は、いつどこで起きるかわかりません。わからないからこそ、きちんと準備しておくことが大切です。人間のために必要な備えについては、日頃からメディアなどで報道されることも多く、関連商品なども販売されています。しかし、被災するのは、人間だけではありません。ここでは、愛犬のための災害への備え、避難の心得などについて、ご説明します。

物資の準備

 子犬を迎えたら、日常的に必要なペット用品だけでなく、万一のときのために防災用品もそろえておきましょう。具体的には、次のような物を用意しておくと良いでしょう。

・予備の首輪
普段は首輪をしていない犬もいるでしょうし、たまたま首輪を外したタイミングで災害が起こる可能性もあります。また、災害によっては首輪がちぎれてしまったりすることもありえます。避難の際は、迷子対策のために必ず首輪が必要になりますので、防災用品として予備の首輪を用意しておくと安心です。

・予備のリード
避難先に移動するときだけでなく、その後の散歩や飼い主とのふれ合い、迷子防止などのためにリードは必須です。いざというときに、いつものリードを探す時間がないかもしれません。こちらも予備の物を用意しておくことをおすすめします。

・自分のクレート
避難所の多くは、犬はクレートに入れなければならないでしょう。日頃から慣らしておき、犬にとっての「自分のクレート」を用意しておけば、いざというときに犬のストレスを軽減できます。

・薬
持病がある犬にとっては、災害が命に関わることも少なくありません。常用している薬がある場合は、忘れずに用意しておきましょう。フィラリアやノミ・マダニの予防薬なども必要な季節には1か月分余分に持っておくと安心でしょう。

・ドッグフードやおやつ
災害時、ストレスから食欲が落ちてしまう犬もいます。日頃から食べ慣れているドッグフードに加え、嗜好性の高いおやつやウェットフードを用意しておくと良いでしょう。

・水
水は、犬にとっても生きていくために、なくてはならない物です。水と併せて、犬のための食器もあると便利です。

・トイレ用品
災害時のトイレ問題は、人間にとっても犬にとっても大きなストレスのもとになります。ペットシーツや消臭剤、ウェットティッシュ、うんち袋など、トイレグッズをそろえておきましょう。ペットシーツやフードについては、日頃から多めに購入しておくと、いざというときに慌てずに済みます。1パック予備を持つつもりでストックしておくのがおすすめです。

・迷子対策グッズ
万が一、犬が迷子になってしまったときのために、迷子札や犬の情報を記したカードのほか、愛犬の写真を用意しておきましょう。また、「犬の鑑札を首輪につけておく」「皮下にマイクロチップを埋め込む」などしておくと、はぐれた愛犬と再会するのにとても役立ちます。

ケージに慣れさせておきたい
ケージに慣れさせておきたい

情報の収集

 いざというときに避難する場所を確認し、犬の受け入れが可能なのか確認してみましょう。
多頭飼いしている場合や、避難所に連れて行くのが難しいときの対応についても家族で話し合っておく必要があります。それと併せて、避難所に行くための経路についても考える必要があります。近くの人と協力して避難できるようにお願いしておいたり、犬を一時的に預かってくれる親戚や友人を見つけておいたりすると安心です。

犬の教育

 犬は、子犬のころに社会化しておくことで、さまざまな刺激にストレスを感じにくくなります。避難先での犬のストレスを少しでも軽減させるために、小さいうちからトレーニングを積んでおきましょう。

・クレートトレーニング
前述したように、避難先で、犬は飼い主と離れてクレートやケージに入って過ごす可能性が高くなります。強いストレスを感じることがないよう、クレートでリラックスして過ごすことができるように練習しておきましょう。

・人や犬に慣らす
知らない人や犬が苦手な犬の場合、多くの人や犬が集まる避難所は強いストレスの原因になります。幼いうちに多くの人や犬に会って、社会化を進めておく必要があります。

・「待て」や「おいで」を覚えさせる
災害時には、多くの混乱や想定外の出来事が起こると考えられます。万が一のときに、すぐに犬を呼び戻す、または制止できるなど、日頃からのトレーニングがいざという時にも役立ちます。

避難先ではクレートで過ごすことが多い
避難先ではクレートで過ごすことが多い

災害への心構え

 災害は頻繁に発生するものではありません。そのかわり、いざ起こったときには、大きなトラブルにつながる可能性があります。日頃から防災訓練などが行われているのは、こうしたトラブルを最小限にとどめるためです。
犬と過ごしているのであれば、犬とどのようにして災害を乗り越えるかといったシミュレーションをしておくことが大切です。地震や雷などに興奮してしまう犬の場合、パニックに陥り、うまく連れ出せない可能性もあります。愛犬のメンタルコントロールができるように、日頃から飼い主との信頼関係を築いていきましょう。

 災害時も愛犬と離れ離れになることなく、できるだけ安全・快適に日々を過ごすためには、日頃のしつけや準備が必要不可欠です。家族の一員として、万が一のトラブルもいっしょに乗り越えていけるよう、しっかり対策をしておきましょう。

「こころのワクチン ――子犬に教える人としあわせに暮らす方法」

著者:村田香織
出版社:パレードブックス
定価:1,543円 (税込)
体裁:四六判・294頁(ソフトカバー)

監修:村田香織
獣医師、もみの木動物病院(神戸市)副院長。イン・クローバー代表取締役。日本動物病院協会(JAHA)の「パピーケアスタッフ養成講座」メイン講師でもある。「パピークラス」や「こねこ塾」などを主催、獣医学と動物行動学に基づいて人とペットが幸せに暮らすための知識を広めている。
この特集について
子犬の飼い方・しつけ方
犬のしつけで大切なのは、子犬の時期。飼い方やしつけのポイントを、動物行動学に詳しい獣医師に解説してもらいます。
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