リードを引っ張る、拾い食い 犬の散歩中の問題行動どうする?
愛犬といっしょに散歩をするひと時は、飼い主さんにとっても犬にとっても楽しい時間でしょう。しかし、犬が散歩中に困った行動をとり始めると、楽しいはずの散歩が、途端に悩みの種になってしまいかねません。散歩中に起こる、犬の問題行動の原因と対策についてご紹介します。
リードを引っ張る
犬と散歩をしている人を見たときに、犬が飼い主の先に立ってどんどん先に進もうとしたり、飼い主を引きずらんばかりに強くリードを引っ張ったりしていることがあります。このような行動は、「リードを引っ張ってどんどん進んだら、行きたい所に行くことができた」という経験から起きていることが多いものです。
リードを引っ張らなくさせるための対処法
引っ張る犬に対しては、「引っ張っても良いことはない」ということを教える必要があります。
例えば、犬が引っ張った瞬間に立ち止まり、進まなくなってしまうなどです。しばらくは、そのまま引っ張り続けるかもしれませんが、犬が力を弱めるまでは決して動かずに待ちましょう。犬が引っ張るのをやめてリードがゆるんだら、行きたがっていた方向へと進みます。
犬がリードを引く度にこれを繰り返すことで、「引っ張ったら、行きたい場所に行けなくなった」「引っ張らなかったら、行きたい場所へ行けた」ということを教えられます。
なかなか先へ進めなくてストレスを感じるかもしれませんが、根気よく繰り返すことがリードの引っ張りをやめさせる近道です。
落ちている物を食べてしまう
目の前に食べられそうな物があれば、犬は当たり前のようにそれを口にしてしまいます。しかし、散歩中に落ちている物を食べることは、有害物を口にする可能性もある危険な行為です。「拾い食い」も習慣化してしまわないよう、しつける必要があるでしょう。
「拾い食い」をさせなくする方法
まずは、リードを持つ手をお腹あたりにくっつけた状態で、「犬の鼻先が地面にくっついてしまわない長さ」をチェックしましょう。
リードは常にその長さで持って、手はおろし、リードをたるませて散歩をし、犬が「拾い食い」をしそうになったら、すかさず手をお腹に持っていきます。そうすれば、通常はリードが張らずに犬はリラックスして散歩が楽しめ、食べようとしたら鼻が地面に届くことを防げますから、結果、「拾い食い」を防ぐことができます。
落ちている物を食べられなかった犬は、やがて飼い主さんのほうを見上げるでしょう。その瞬間に、犬をほめておやつをあげてください。そうすれば、犬に「拾い食いをしようとしても食べられない」「飼い主さんを見上げたらおやつがもらえる」ということを教えられるのです。
子どもに向かって吠える
散歩中に、下校中の子どもや、外で遊んでいる子どもと出会うこともあるでしょう。その中には、「かわいい!」と声を上げたり、犬をなでようとして近付いてきたりする子どももいるかもしれません。
しかし、子どもがとりがちな行動の多くは、犬の警戒心を呼び起こしてしまう場合があります。例えば、急に走って近付いたり、正面から目を合わせたまま近寄ってきたり、大声を出したりといったことが、それにあたります。このような理由から、犬が子どもに吠えること自体は、ある意味仕方のないことでもあります。
そして、犬に吠えられた子どもは、慌てて近付くのをやめたり、逃げたりするでしょう。さらに、飼い主は犬を子どもから遠ざけようとします。
これらの行動を犬の立場から見ると、「吠えたら敵がいなくなった」ということになりますから、行動が強化されて、余計に子どもに対して吠えるようになってしまうのです。
子どもに吠えなくさせる方法
せっかく子どもたちが犬に対して好意を向けてくれたのですから、吠えてしまうよりは、いっしょに仲良く遊べるほうが、犬にとっても、子どもにとっても、楽しいはすです。
犬を子どもに馴らすためには、社会化期(コミュニケーションの基礎を学ぶ時期)の子犬のうちに、たくさんの子どもと接する機会を持つことです。
また、子どもたちにも、犬が嫌がることをしないようにお願いしておくことが大切です。いくら子どもと接する機会を増やしたとしても、耳を引っ張られたり、鼻をつかまれたりしたのでは、子どもを好きにはなれないからです。
著者:西川文二
発行:SBクリエイティブ(サイエンス・アイ新書)
価格:952円+税
オールカラー、224ページ
sippoのおすすめ企画
「sippoストーリー」は、みなさまの投稿でつくるコーナーです。飼い主さんだけが知っている、ペットとのとっておきのストーリーを、かわいい写真とともにご紹介します!
LINE公式アカウントとメルマガでお届けします。