来客や電話、インターホン…… 犬が吠える理由とやめさせるための対処法
お客さんが家に来たときや、インターホンや電話が鳴ったとき、飼い犬に「ワンワンッ!」と大きな声で吠えられると、「お客さんが怖がる」「通話が聞こえない」など、いろいろな問題が起きます。しかし、犬は意味もなく吠える動物ではありません。犬が吠えるときは、必ず何か理由があるはずです。犬と快適に暮らすためには、吠えている理由を知って、対策をとる必要があります。
ここでは、状況ごとに吠える理由と対策をご紹介します。
来客のチャイムで吠える犬
「玄関のチャイムの音に反応して吠える」というのは、4ヵ月齢ごろまでの幼犬にはあまり見られない行動です。この時期の子犬は、チャイムが鳴ってお客さんが来たとき、「何の音だろう?」「知らない人が入ってきたけど、いったい誰?」という好奇心を覚えます。
ところが、5ヵ月齢を超えると、だんだんと犬は警戒心を強めていきます。そして、好奇心よりも先に「縄張りに知らないヤツが入ってきた!」という警戒心が勝って、吠え立てるようになるのです。
訪問客が、「訪問販売員」「点検員」「宅配便の配達員」などであった場合、相手は用事が終わればすぐに立ち去ります。そのときに犬は、「用事が終わったから帰ったんだな」とは思いません。侵入者に対して吠え続けていた犬は、「自分が吠えたら敵がいなくなった!」と認識してしまうのです。
また、吠えたことに対して、飼い主が反応すればするほど、誰かが来たら吠えて教えるのが自分の仕事と誤解してしまうでしょう。
このようなことが続けば続くほど、犬はより一層、「チャイムが鳴ったら吠えよう、そうしたら侵入者が帰っていくはず」という気持ちを強めていきます。
訪問客に吠えなくさせる対処法
大切なのは、好奇心が警戒心を上回っている幼い子犬のうちに、来客からおやつをあげてもらったり、チャイムが鳴ったときに大好きなフードをあげたりすることです。犬にとって、チャイムが「うれしいもの」という経験をたくさんさせることで、チャイムや来客に敵対心を抱かなくすることができるでしょう。
ただし、おやつをあげるタイミングを間違えると、「チャイムが鳴ったら、おやつがもらえた」ではなく、「チャイムに吠えたら、おやつがもらえた」と誤解してしまう可能性もあります。チャイムが鳴ったら、吠え始める前におやつを与えるようにしてください。
「犬が吠える前に、吠えさせないための行動をとる」ということが大切なのです。
電話やインターホンで話すと吠える犬
電話やインターホンで通話をしているときに、近くで犬が吠えてしまうと、相手の声が聞こえにくくなってしまいます。吠えないようにしつけをしようとしても、電話やインターホンに応じながら、同時に犬のしつけを行うのは困難でしょう。つい、おやつやおもちゃを与えて黙らせてしまうこともあるかもしれません。
ところが、そのような行動は、「インターホンが鳴ったときに吠えたら、おやつがもらえる」と犬に教えてしまうことでもあります。そうなると、犬はおやつをもらうために、さらに張り切ってインターホンに向かって吠えてしまうことでしょう。
電話やインターホンに吠えなくさせる対処法
幼い子犬のころに吠えていなかったとしても、成長していくにつれて、インターホンや電話に吠え始める可能性があります。吠え始めてから矯正するのは困難ですから、子犬のころから音に鳴らし、インターホンが鳴ったら吠えるではなく、「お座りをする」「マットの上に行く」などと教えるトレーニングをしておくことが大切です。
【前の回】犬のあくびは眠いからではない? 犬の寝言や寝相にも意味がある
【次の回】リードを引っ張る、拾い食い 犬の散歩中の問題行動どうする?
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