犬のあくびは眠いからではない? 犬の寝言や寝相にも意味がある

 犬にとっても、人間にとっても、「眠り」は大切な休息の時間です。毎日の疲れを癒やしたり、気持ちをリセットしたりするためには、質の良い睡眠をとる必要があるでしょう。ここでは犬の寝言や寝相、あくびなど、眠りに関係するしぐさと、その意味についてご紹介します。

犬の睡眠と夢

 犬も人間と同様に、浅い眠りの「レム睡眠」と、深い眠りの「ノンレム睡眠」を繰り返しながら眠っています。しかし、その睡眠の周期については、人間と犬では大きく異なります。人間の場合、90分周期でノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しているのに対し、犬の場合は、20分周期でノンレム睡眠とレム睡眠を繰り返しています。

 このレム睡眠とノンレム睡眠ですが、夢を見るのは眠りが浅いレム睡眠のときだけだといわれています。1回に約4分という短い時間ではありますが、犬も夢を見ていると思われます。寝ている犬がピクピクとけいれんしたような動きを見せたり、バタバタ脚を動かしたりするのは、きっと遊んだり、走ったりする夢を見ているからでしょう。また、寝ている犬が突然声を上げたり、まるで寝言のようなことを言ったりしているようなときも、人間と同じように夢を見ていると想像できます。

犬があくびしても眠いとは限らない
犬があくびしても眠いとは限らない

あくびもカーミング・シグナル

 犬もあくびをします。人間であれば、ほとんどが眠いことが、あくびの理由になりますが、犬のあくびは「眠い」「飽きた」といった怠けの感情からだけではなく、ストレスから起こる「カーミング・シグナル」であるとも考えられています。

 ちなみに、カーミングとは、英語で“calming”(落ち着かせる)という意味で、犬は、「ちょっと興奮しすぎちゃった」と感じたときや、相手に「少し落ち着いて!」と伝えたいときに、このような行動をとります。

 もしトレーニング中に犬があくびをした場合、怠けていると思って、「集中しなさい!」と叱ってはいけません。そのとき、必要となるのは、トレーニング内容が難しすぎたりしていないかの見直しです。犬がストレスを感じず、楽しくトレーニングができるようにすることが、訓練の効率アップにつながるでしょう。

目を細めたときの意味

 慣用句にもあるように、人間はうれしいことがあったり、かわいい物を見つめたりしたときに、感情を揺さぶられ、目を細めます。また、物理的にも、まぶしいときや、うたた寝をしかけているときなどに目が細くなります。もちろん、犬もまぶしいときやうたた寝をしかけているときは目を細めますし、人間同様、感情から目が細くなることもあります。

 しかし、そこには、人間のときのようなプラスの感情ではなく、「そんなに注目しないで」「こっちだってにらんだりしていないでしょ」というマイナスの感情を持っていることがあります。つまり、犬にとって目を細めるのはカーミング・シグナルの場合があり、ストレスを感じている可能性があるのです。

前脚、後ろ脚を伸ばして、伸びをする犬
前脚、後ろ脚を伸ばして、伸びをする犬

伸びをするときの心理

 人間は、寝起きや長時間同じ体勢をとっていたときなどに、萎縮してしまった筋肉を伸ばそうとして「伸び」をします。犬もまた、これと同じように、寝起きなどに伸びをすることがあります。お尻を上げて脚を出し、思いきり伸びている愛犬の姿は、度々、見られるでしょう。

 しかし、犬は「筋肉を伸ばす」以外の理由でも伸びをすることがあります。それが、カーミング・シグナルとしての伸びです。前述してきたように、ストレスを感じているときに、犬はさまざまなカーミング・シグナルを見せますが、この「伸び」もそのうちのひとつなのです。

毛布の上で回る、毛布を掘ろうとする

 犬は、自分のベッドや毛布の上でくるくると回ったり、足元を掘るような仕草をしたりすることがあります。毛布やベッドは掘れるものではありませんが、一生懸命、掘ろうとしている姿に、思わず笑みがこぼれてしまう飼い主さんも多いのではないでしょうか。

 このような犬の行動は、「寝床づくり」のために行われていると考えられます。地面を掘れば、冬は暖かく、夏は涼しい寝床をつくることができるという、習性の名残として行っているものと考えられます。

 ただし、眠る場所以外を掘る、または、眠くもないのに同じような仕草を見せる場合は、退屈しのぎなどの理由で掘っている可能性もあります。犬の行動の意味を知るためには、前後の様子やタイミングなどを考え合わせて判断するようにしましょう。

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監修:西川文二
日本動物病院協会(JAHA)認定家庭犬しつけインストラクター。家庭犬のためのしつけ方教室「Can! Do! Pet Dog School」代表。 環境省の「動物適正飼養講習会」講師など歴任(平成20〜22年度、27、28年度)。「犬のモンダイ行動を直す本」(PHP出版)、「イヌのホンネ」(小学館)、「改訂版 犬は知的にしつける」(ジュリアン)など著書多数。

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