猫に嫌われるのには理由が 目を見る、追う、大声で呼ぶ…

安心しまくっているモモ(左)とあんず
安心しまくっているモモ(左)とあんず

 猫好きの人の中でも、猫に好かれる人と、なぜか嫌われてしまう人がいると思います。

 つい先日、“猫に嫌われてしまう人”のお手本のような光景を目の当たりにすることができました。

 滅多にお客様が来ない我が家に、20年来の友人・Bちゃんが来てくれたときのこと。

Bちゃんは、それほど猫大好きというわけでもないものの、我が家の猫との初対面を楽しみにしてくれていました。

 サビ猫のあんずは基本的に人懐こいのですが、最初だけは少し距離を取り、1分くらい経ってから、お客様に近づいていく、というのが基本パターンです。

 あんずがいつものように、少し離れたところから、Bちゃんの様子を伺います。

 Bちゃん「あんずちゃ~ん! あんずちゃ~ん!! おじゃましまーす」

 Bちゃんは、あんずの名を呼びながら、あんずの目を凝視。興味津々の様子で、私と話しながらも、ひとときもあんずから目を離そうとしません。

 目と目を合わせたままのBちゃんとあんず……。お互いの緊張感の差がありすぎます。

 Bちゃんは“目を合わせる=メンチを切っている”ことになっている、ということが全く分かっていない様子。

 あんずは、友好的な気持ちだったのに、いきなりメンチを切られて、どうしたら良いのか戸惑っている様子でした。

 私が「あんまり見ると、寄って来ないよ」とBちゃんに伝えても、Bちゃんはつい見てしまうようで、緊張感はしばらく続きました。

 そうこうしているうちに、話に夢中になり、あんずのことを忘れていると、あんずが安心し始め、Bちゃんのバッグのにおいをクンクンかぎにやってきました。

「わあ! あんずちゃん来てくれた!」

 大喜びで、あんずの顔をのぞき込むBちゃん。

 あんずはまたビビり、おどおど。大抵、客人のバッグのにおいをかいだ後は、仲良しナデナデタイムになるはずが、また距離を取られてしまいました……。

 結局、あんずは随分経ってから私たちのところにやってきましたが、Bちゃんはそっと触れる、にとどまり、ほとんどのお客さんが可能なお腹ナデナデまでには至りませんでした。

 一方、キジトラ猫のモモは、Bちゃんが家に入るなり、言わずもがな一目散に逃げてしまいました。

 いつものペットシッターさん以外、誰が来てもそうなので、そっとしておくほかないのですが、無邪気なBちゃんはモモのことも諦めません。

「モモちゃ~ん! どこ行ったの? 出ておいで~!」

 Bちゃんは、モモが隠れた周辺でモモの名を呼んでいましたが、ビビって、より奥に隠れてしまうだけなので、これでは逆効果。モモは物音を立てないよう、ひっそり隠れている様子です。

「絶対に出てこないから、そっとしておいてあげて」と伝え、Bちゃんにモモのことは諦めてもらいました。

「逃げる時のお尻だけ、ちょっと見えた」と、国立公園で希少動物を見たかのように喜んでくれたので、まぁ良しとしよう。

 モモはともかく、あんずなら簡単にスキンシップできるはずと思っていたのですが、一応警戒はしているんだな……と、Bちゃんで学ぶことができました。

 別に猫たちは、Bちゃんが嫌いなわけではないと思うんです。Bちゃんのことがよく分からなくて、ちょっと怖かっただけなのです。

 猫という生き物の生態を事前に知っておくことが、猫と仲良くなれる方法なのだなと、実感することができたのでした。

 もしBちゃんがまた我が家に来てくれたり、猫の話をすることがあれば、そのときはきちんと「目を見すぎないように、追わないように」など、しっかり伝えようと思います。

sippo
sippo編集部が独自に取材した記事など、オリジナルの記事です。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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