ねこルーム作ったニャ 6年ぶりに殺処分増加の青森県が対策
青森県内の猫の殺処分数が今年度、6年ぶりに増加に転じた。法改正や去勢、避妊手術の浸透によってピーク時から大きくその数を減らしてきたが、猫ブームなどを背景に3年ぶりに1千匹に届く勢いで推移。望まない出産を抑えるために室内飼いを推奨する県は、童謡を地で行く作戦を展開している。
8日午後、青森市の県動物愛護センター研修室。柵で囲まれた一角約25平方メートルは「あったかふれあいねこルーム」と名付けられ、老若男女約30人であふれていた。お目当ては、そこに解き放たれた猫4匹。キャットタワーに上ったり、こたつの中で丸まったり気ままに過ごす姿を、目尻を下げながら携帯電話で撮影する人もいた。
センターではこれまでも開館日には保護している猫と触れあえる時間をつくってきたが、昨年12月下旬からねこルームを新たに設けた。「雪やこんこ」の出だしで知られる童謡の一節「♪猫はこたつで丸くなる」をもとにした設定にして、引き取り手を探すとともに、室内で飼うイメージを持ってもらう狙いだ。
センターが対策に追われているのは、2月ごろから猫の繁殖期に入ることに加え、減少傾向にあった猫の殺処分数が増加に転じたことが背景にある。
県によると、2017年度に殺処分された猫は12月末現在で750匹と16年度同期比で220匹(41・5%)増となり、16年度1年間の596匹をすでに超えた。13年に動物愛護法が改正され、県が場合によって引き取りを拒否できるようになったため、殺処分数は11年度の2621匹から減少の一途をたどっていたが、ここに来て反転した。
増えた理由ははっきりしていないが、放し飼いの猫が繁殖を続けたり、多頭飼いしている高齢の所有者が飼育できなくなったりして、センターに持ち込まれるケースが多い。また、昨今の猫ブームで無責任に野良猫にエサをやって繁殖に拍車をかけている可能性もあるという。
またセンターが室内飼いにこだわるのは、飼い猫を外で放し飼いにして良いことはないという思いからだ。屋外では猫同士のけんかでけがをするリスクがあるばかりか、避妊、去勢手術をしていなければ、繁殖し続け、処分に回される猫も増える。県の担当者は「センターで譲渡される猫の5倍以上が処分されているのが現状。責任を持った飼い方をしてほしい」と話している。
(中野浩至)
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