控え目な猫が就寝前だけ「にゃおーん」 「寝ないで」の意味?
ビビりで控え目なキジトラ猫モモは、ほとんど“要求”をしない猫です。
一方、相棒猫のあんずは、えさや遊びなどの“要求鳴き”から、起床や排便などの“主張鳴き”を1日に10回くらいするため、その差が顕著。
モモには「我は猫なり!」といったような“猫様”っぽさがなく、いつも遠慮がちに過ごしています。
モモは、あんずの食事をこっそり横取りするような食いしん坊ではありますが、お腹が空いたとき、もしえさがなくても、カラになったお皿を舐めるだけで引き下がってしまいます。
遊びたいときや暇なときも、飼い主を遠くから見つめたり、寄り添ってみたりするだけで何もしない健気な猫です。
相棒猫のあんずが、飼い主に鳴いて要求をして、ついでにモモもえさや遊びにありつく、といった感じで、なんだか野良猫みたいです。
しかし、モモも唯一、要求鳴きをすることがあります。それは、私に「まだ寝ないで~」と懇願することです。これが、かわいいのなんの…。
私が寝る前に限って、甘えた声で鳴くので、「寝ないで」と言っているのは間違いないと思います。
私は寝る直前に入浴するため、風呂から出ると同時に、こたつから飛び出してきたモモは、「にゃお~ん」と甘い声で鳴きながら、私の足元にまとわりついてきます。
風呂上がりの湿った肌に猫の毛がつくのもアレなので、長ズボン、靴下は欠かせません。
「にゃお~ん、にゃお~ん…」と、まるでお願いしているみたいに鳴き、ゴロンと横たわり、服従のポーズでクネクネするモモ。
そこで身体を撫でてやると、喉をゴロゴロ鳴らして気持ちよさそう。私さえ気が向けば、永遠に続けられそうです。
不思議なのが、「寝ないで~」と鳴いている最中、私が一旦ソファに座ると、鳴くのをやめて落ち着いてしまいます。私がソファにいるということは、寝室に行くことはないので、安心するのかもしれません。
ちなみに、私が猫アレルギーのせいで、寝室に猫を入れないようにしているため、私が寝ることは、別の部屋に行ってしまうことになります。モモにとっては、それが寂しいのかもしれません。ごめんよ……。
と言っても、モモと同じ部屋にいても、くっついてくるわけでもないので、隣の部屋でもそう変わりないのですが、モモにとっては違うのでしょうね。
そして私がソファを立つと、またニャンニャン鳴いて、私の後をついて回り、寝室前に立ちはだかって、私が寝室に引っ込むのを阻止しようとします。
しかし、そこは猫なので、簡単にまたいで寝室に入れます。
「ごめんね、モモちゃん、今日は寝るよ、また明日ね」
そう寝室前で言い聞かせ、私が寝室に入ってしまうと、その後まで鳴くことはありません。
夫によると、私が寝室に引っ込むのを見送った後は、何もなかったかのようにこたつに入ったり、好きなところで寝たりしているそうです。
そこまで“辛い別れ”ではないようなので、“一応頼んでみる”って感じなのでしょうか……。
このモモの行動について、夫が言うには、モモは小さい頃、母猫とはぐれてしまったので、私が部屋からいなくなると、母との別れを思い出すのでは……と言うのです。
そうはいっても、私が外出するときは甘えないし、その真意のほどはわかりません。
モモにとっては、私が寝る前の甘え行為が一日の日課であり、唯一遠慮しない時間と決めているような気もします。
猫にも心があるなぁと実感させてくれる控え目なモモ。あんずのように、もっと図々しく生きたほうが楽しいよ!と伝えてはいるのですが、性格なので仕方ないようです。
(ヤスダユキ)
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