神奈川県警のベテラン警察犬レオン号、引退へ

引退するレオン号と、担当してきた山村和警部補=横浜市栄区上郷町
引退するレオン号と、担当してきた山村和警部補=横浜市栄区上郷町

 事件現場に残されたにおいをたどると、そこは容疑者の家だった――。神奈川県警の警察犬レオン号(11歳、オス、シェパード)が今秋引退する。出動回数は750回以上で、数々の事件で功績を残してきた大ベテランだ。


 県警鑑識課によると、県警には現在、計14頭の警察犬が所属している。レオン号は最年長で、人間にすると70歳相当。1歳から任務を始め、出動回数は750回以上で、刑事部長賞を含む計21回の表彰を受けた。


 最近は腰が弱り気味で、かみつき訓練などは控えているが、今年も8月上旬までに約30件出動し、仕事に精を出している。


 中でもお手柄だったのが、2011年にあった強盗致傷事件での任務だ。アパートの一室で、男が女性の顔を殴るなどしたうえ、現金を奪った事件が発生。女性が抵抗した際、男の血痕が現場に残された。


 レオン号がにおいをたどっていくと、現場から約400メートル離れたアパートの階段をかじりはじめた。階段をのぼると、一室のドアノブにべったりと血痕が残っていたといい、容疑者の逮捕につながった。


 約5年半、訓練や出動でともに時間を過ごし、エサを与えるなど世話をしてきた山村和(たか)警部補(46)は「非常にパワーがある犬。散歩でも引っ張られるくらいの力がある」。人や物を探す臭覚を使う作業で、他の犬よりも優れた能力をもっているという。


 県警にはこれまで80頭の警察犬が所属。通常9~10歳ほどで引退しており、レオン号は特に長く働いた犬だという。高齢の犬は車に乗るときも介助が必要だが、レオン号は自ら飛び乗るほど元気なため、現役を続けてきた。

 

引退するレオン号と山村和警部補=横浜市栄区上郷町
引退するレオン号と山村和警部補=横浜市栄区上郷町

 担当者以外に懐きづらいというのも、引退が長引いた要因だ。担当者以外にはうなり声をあげ、触ることもできないほど。一方、山村警部補が近づくと、外に出せと言わんばかりに騒ぎたてる。


 警察犬は一般的に狩猟本能が旺盛で危険なため、引退後の飼い主は県警内で募集し、面接して決めている。レオン号も、ようやく引き取り手が見つかり、今秋に引退することになった。


 山村警部補は「これまで昼夜問わず働いてもらった。犬舎の前に行けば、しっぽを振って飛びかかってきたレオン号がいなくなると思うとさみしい。余生は愛情をたっぷり受けてゆっくり過ごしてほしい」と話した。


(飯塚直人)

 

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