ミルクボランティアが育て、動物病院が新しい飼い主探しに協力
福岡市獣医師会に加盟する動物病院で今月から、市東部動物愛護管理センター(同市東区蒲田5丁目)に保護された子猫の飼い主の募集が始まった。これまでは管理センターだけで募っていたが、動物好きが集まる動物病院でも飼い主を探すようにした。子猫の殺処分を少しでも減らすのが狙いだ。
管理センターによると、2015年度に市内で殺処分された猫は451匹。うち91匹が交通事故などでけがを負った猫で、残る360匹のほとんどが子猫だった。
市と市獣医師会は昨年から、市民に子猫を預け、離乳までの約2カ月間育ててもらう取り組みを始めた。「ミルクボランティア」として1日3~5回の哺乳や排泄(はいせつ)の補助をしてもらう。必要経費は市と市獣医師会が負担し、加盟動物病院で子猫の健康管理を担ってきた。現在飼育中の子猫も含めると、これまで43頭が育てられたという。
ミルクボランティアが育てた子猫は管理センターが引き取り、新しい飼い主を募集していた。今月からは、市獣医師会に加盟する各動物病院も子猫を引き取り、訪れた人に実際に見てもらって飼いたい人を募集している。
「室内で飼育できる環境がある」「飼い主が飼い続けることが困難になった場合に備え、別の飼育人を確保する」などが譲渡の主な条件。譲渡前には、管理センターが子猫に予防接種を施し、体に無害のマイクロチップを埋め込む。譲渡後、子猫が成長したら不妊・去勢手術をしてもらうが、費用は市と市獣医師会が負担する。
2日には、市獣医師会の東田周三会長が院長を務めるベル動物病院(同市早良区次郎丸1丁目)に譲渡予定の4匹の子猫がやって来た。東田会長は「動物と暮らすことはステキなことで生活が豊かになる。動物を飼ったことがない人にも知ってほしい」と話す。
子猫の情報はセンターのホームページや、各動物病院に貼り出されるチラシで見ることができる。問い合わせはセンター(092・691・0131)へ。
(伊藤繭莉)
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