保護猫の明日、考える宿 シェルター付きの「ねこ蔵ホステル」

元気いっぱいの保護猫と遊ぶ森信子さん(左)と井上恵津子さん=福岡市博多区
元気いっぱいの保護猫と遊ぶ森信子さん(左)と井上恵津子さん=福岡市博多区

 殺処分される猫を減らしたい――。動物愛護センターから引き取った処分直前の猫を一時的に預かる保護猫シェルターを備えたゲストハウス「ねこ蔵(くら)ホステル」が23日、福岡市にオープンする。施設を管理する井上恵津子さん(55)は「『明日が来ない猫』を1匹でも多く助けたい」と、施設利用を呼びかけている。


 ゲストハウスは、不動産事業を手がける「DM都市開発」(福岡市中央区)がつくった。同社のマネジャー森信子(しなこ)さん(50)が、保護猫の活動を通じて知り合った井上さんと1年前、民泊と猫の保護活動を両立できないか考えたことをきっかけに生まれた。


 井上さんは市内で猫を保護するボランティア団体「福ねこハウス」を運営。猫のミルク代を稼ごうとパートを増やすなど私財をなげうって活動していた。森さんは「ボランティアでは限界がある。保護活動を事業の上に成り立たせたかった」と話す。


 シェルターで預かるのは動物愛護センターで殺処分される予定の猫に限り、最大15匹まで保護できる。シェルターにいる間に里親を見つけて譲り渡し、また新たな猫を引き取るという運営を考えている。


 えさ代などは宿泊料や併設するカフェの利用料で賄う。カフェは「和スイーツ」が売り。夜はバーになり、八女市の酒造会社「喜多屋」の日本酒が楽しめる。井上さんは「おいしい料理やお酒を味わってもらい、それが猫を保護することにつながれば」と期待する。


 施設は博多区千代4丁目に完成。木造2階建てで、1階にカフェと保護猫シェルターがあり、2階が宿泊施設。事前に予約すれば猫とふれあうこともでき、猫好きは楽しめそうだ。


 ドミトリータイプは1泊2900円からで、ダブルは6千円から。カフェの営業は午前11時半からで、午後6時からバーになる。


 保護猫の里親を希望する人は電話やネットで予約し、猫と面会する。宿泊予約や問い合わせは「ねこ蔵ホステル」(092・409・2242、https://www.nekokura.co.jp/)。


(宮谷由枝)

朝日新聞
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