強盗容疑者を追いつめた嘱託犬の鼻 シェパードのベリー号
宮崎市内で9月の深夜に起きた強盗事件。宮崎県警は発生から半日ほどで、現場から車で逃走した容疑者2人を逮捕した。早期解決の裏には警察犬の活躍があった。
9月16日午後10時すぎ、同市福島町の美容室に覆面姿の男2人が侵入。店員3人を包丁のような刃物で脅し、店の売上金約25万円を奪って車で逃走した。
嘱託警察犬指導士の児玉邦子さん(66)の枕元の携帯電話が鳴った。「就寝直後だったが、いつでも出動できる用意はしている」。メスで6歳のシェパード「ベリー・オブ・クィーン・フォーチュン号」と現場に駆けつけた。
店に到着すると、男らが残した足跡のにおいがついた布をベリー号にかがせた。店の前からにおいをたどると約50メートル先の駐車場にたどり着いた。改めて店前から始めるとまた同じ場所に。「明らかな反応があった。何かあると思った」
県警は犯行に使われた車がその場に止められていたのではないか、と推測。目撃証言などから車種や色を割り出して手配した。その後、宮崎自動車道で検問中の県警高速隊から、似た車を見つけたと連絡が入る。追尾し、発生から約3時間後、日向高崎パーキングエリアで神奈川県内に住む男2人の身柄を確保した。
嘱託警察犬を育てて約20年。「明るく元気。でもおっちょこちょい」というベリー号は生後2カ月から面倒をみてきた。自宅付近の道ばたに手で触れた小石やライターなどを置いて見つけ出させたり、においの鮮度を嗅ぎ分けさせたりする訓練を毎日行ってきた。
功績が認められ、先月中旬には宮崎南署から感謝状が授与された。5月のお手柄に続いて今年2回目の表彰。陳内清孝副署長は「事件の早期解決に大きく貢献していただいた」。
児玉さんは「日々の訓練を役立てられてよかった。これからもベリー号と一緒に成果をあげていきたい」と話した。
(金山隆之介)
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