セカオワ、支援ソング「Hey Ho」収益を犬保護団体に寄付
人気バンド「SEKAI NO OWARI」(セカオワ)が、犬や猫など動物の殺処分ゼロをめざす活動をしている。今月には支援ソングを発売し、支援ライブを開いた。収益は犬の保護活動をする認定NPO法人「ピースウィンズ・ジャパン」(PWJ、本部・広島県神石高原町)に寄付され、保護に活用される。
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環境省によると、昨年度に全国で殺処分された犬は1万5811匹、猫は6万7091匹、計8万2902匹に上る。
PWJは1996年に発足。イラク、ケニア、東北地方など国内外の紛争地や災害被災地への支援活動をしてきた。災害救助犬の育成をきっかけに、2012年から犬の保護にも本格的に取り組み始めた。神石高原町に保護・訓練施設などを建設し、13年には県内の犬の殺処分をゼロにする事業をスタートさせた。
ふるさと納税などで資金を集め、今年4月から県内の殺処分対象の犬をすべて引き取り、「ゼロ」を実現している。神奈川県藤沢市にある保護犬の譲渡センターに加え、今年中に東京都世田谷区にも譲渡センターを開設するなど、全国に活動を拡大している。
セカオワは、PWJの実績を知って連携を提案。メンバー4人は5月、神石高原町の施設を訪ねて、保護活動や殺処分の実情を聞いた。PWJと合意し、7月に「ブレーメンプロジェクト」を開始。今月には支援ソング「Hey Ho」を収録したCDを発売したほか、東京都内で2日間の支援ライブも開き、会場には支援グッズや募金箱も置いた。
「Hey Ho」の歌詞には、「犬」「猫」「命」など直接的な言葉は出てこない。曲調もポップで明るく、「殺処分ゼロ」といった「重たさ」は感じさせない。
メンバーで作曲を担当したNakajinさんは「感情的になって伝わるものではないと思います。民族音楽風の音もとり入れて、ほっとするような音作りを心がけました」と話す。作詞をしたFukaseさんは「動物はしゃべれないけれど、殺されたくないだろうなと。現状を知って、自分たちで何かできないかと思いました。特別、愛犬家というわけではないですが、フラットだからこそ、子どもたちに伝えられることがあると思うんです」。
一緒に作詞したSaoriさんは「デビューしたばかりのころには、同じことをしても効果は少なかっただろうけど、今ならできる。こうすべきだと強制するのではなく、楽しく参加してもらいたいですね」。捨て猫を拾って飼っているというDJ LOVEさんは「ライブ会場には支援グッズだけを買いに来てくれたファンも大勢いました」と手応えを感じている。
セカオワは殺処分ゼロをめざす活動を一時的なものに終わらせず、今後も続けていきたいという。
PWJの犬保護活動のプロジェクトリーダー大西純子さんは「連絡をもらった時は、『セカイノオワリ? 本当?』と驚きました。多くの人が殺処分の問題を知るきっかけになるはず。まず知ってもらうことが大事です」と話している。
(山田裕紀)
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