里親さん待つ保護犬の一覧をウェブに 出会うチャンス広げたい

個別のわんこの情報ページ
個別のわんこの情報ページ

 前回に続いて保護犬の譲渡に関する話題。このたび、ピースワンコ・ジャパンのウェブサイト内に、里親さんとの出会いを待つワンコたちを一覧できるページが新たに完成した(http://jinsekiadmin.wix.com/peacewanko)。

 

 現在いる約240頭のうち、健康チェックやトレーニングを経て譲渡できる状態になった約100頭を掲載。一覧の写真をクリックすると、それぞれの犬の詳しい情報が表示される。本拠地の広島県神石高原町だけでなく、広島譲渡センター(広島市)や湘南譲渡センター(神奈川県藤沢市)の面々も一度に見られ、気になる子がいれば各施設にすぐ問い合わせていただけるようになった。

 

 たとえば「実(みのり)」には、黒茶色、メス、体重10㌔、体高35㌢といった体の特徴や、動物愛護センターから保護されたという経歴に加え、次のように書かれている。「初めての人は警戒しますが、優しく触ってもらえればすぐに甘えてきます。散歩中に大きな音が鳴ったり、人がたくさんいると緊張してしまいます。ゆっくり実のペースに合わせて仲良くなってくれる家族を待っています」

 

 推定12歳のビーグル系の雑種「華丸(はなまる)」の場合はこうだ。「人に飼われていたので、少々のことでは驚いたりしません。朝夕しっかり散歩に行ってもらえば、日中はぐっすり寝ていると思います。ご年配の方でも一緒に過ごせると思います」

 

 これらの記述(抜粋)は、飼育スタッフが日々の世話やトレーニングのなかで感じた犬たちの特徴のうち、特に里親さんにとって役立つと思われる情報を選んだものだ。譲渡した犬が家族の一員として幸せに暮らすためには、よく理解したうえで引き取っていただくことが大切だと考えるからだ。

 

里親さんを待つわんこの一覧ページ(部分)
里親さんを待つわんこの一覧ページ(部分)

 飼育放棄されて保護されたドーベルマンの「ラン」も、このページに載っている。まだ3歳のランは、頸椎(けいつい)の障害で神経が圧迫される「ウォブラー症候群」のため、後ろ足が不自由で最初は歩くのも困難だった。ピースワンコで引き取ってから手術をし、リハビリを経て、現在は散歩ができるまでに回復した。ページには病名を明記し、「病気のことも含めて一生可愛がってくださる家族を待っています」と書かれている。病気が原因で飼育放棄されてしまう犬も多いので、ランに限らず、病歴は決して隠さない。

 

 さっそくSNSなどを通じて多くの方が情報を拡散してくださっている。「とても見やすい。こんなページを待っていた」という声もいただいた。もちろん実際に対面して相性を確かめていただくことが譲渡の絶対条件だが、出会いのチャンスが多いに越したことはない。新しいページがその一助になることを願う。

大西健丞
1967年生まれ。NPO法人「ピースウインズ・ジャパン」代表理事。広島県神石高原町にシェルターを設け、捨て犬の保護・譲渡活動に取り組むプロジェクトを運営している。

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この連載について
大西健丞のピースワンコ日記
NPO「ピースウインズ・ジャパン」代表の大西健丞さんが、殺処分ゼロをめざして犬の保護活動に取り組む日々を語ります。
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