IAHAIOストックホルム大会(JAWSレポート63)

 人と動物の関係に関する国際会議の第12回大会が2010年7月1日から4日までストックホルムで開催されました。9つの基調講演、20の分科会及び14の特別分科会があり、いろいろなテーマのワークショップも18ありましたが、日本からも異なる分科会とポスターセッションで多くの発表がありました。たくさんの興味深い発表がありましたが、その中で、日本でもこうあってほしいと思う2つ発表を簡単にご紹介します。


 

行き過ぎたブリーディングについて エバ・ハーティル氏(スウェーデン)

 今や、かなりの犬種グループでは競技会やショーのためにだけ繁殖されている。彼らのほとんどが美しさや見た目のために繁殖され、「美しい」を決めるのはジャッジやブリーダーである。多くの犬種では先祖のオオカミからかなりかけ離れてしまっている。短吻種の犬の多くは短い鼻と内部の奇形から呼吸に問題がある。いくつかの犬種では、子犬の頭の大きいことと親犬の骨盤が狭すぎることで出産が難しく、帝王切開をしないと親子ともども死ぬことになる。また、シャーペイのように皮膚が余りすぎて、目に覆いかぶさり、目が見えなかったり、痛みのひどい角膜潰瘍になる。余りに行き過ぎた純血種の繁殖によって、犬は苦痛に晒されており、犬の福祉を侵害している。

 そこで、スウェーデンのケンネルクラブと獣医師が協力してこの行き過ぎた繁殖の方向を改善させようとブリーディングの「5つの基本要件」を作成した。

 1.呼吸   動きまわっても普通に呼吸ができること。
 2.目    目が澄んで見えて不快感のないこと。
 3.皮膚   健康的な皮膚で不快感のないこと。
 4.毛並み  動物の動きを妨げてはいけない。
 5.動き   目に見える痛みのなく自然に動き回れること。

 2009年には、ドッグショーに関わっている人たちが協力して各犬種について繁殖指示書が出された。


動物福祉教育 エリック・シュミット氏(オーストリア)

 ヨーロッパ委員会の動物福祉行動計画には、「質の評価」に重要であるとして、生産品における動物福祉についてのラベリングも含まれている。多くの消費者は畜産についての知識はほとんどない。人々の農業動物との経験は完全に失われている。特に都会では。

 オーストリア健康省は農場レベルのセルフ評価システムを使用することにした。複雑な法的要件は、牛・小反芻動物・豚・家禽の簡単なチェックリストに書き直した。

 これらのマニュアルは定義の詳細と諮問当局の解釈を含む。このシステムは「動物健康サービス」のメンバーすべてに課されている。農場によるセルフ評価は獣医師によってチェックされ、リスクに基づいたコントロール計画に収まっているか判断される。

 畜産の知識を科学レベルから消費者に持っていくことは学校レベルから始めなければならない。「動物福祉教育」というNPO団体が組織され、教師のために、ペット動物・農業動物・野生動物についてのトレーニングコースを実施し、冊子を発行しているが、それらは動物福祉を教えるための確かな情報を与え、サポートしている。

 オーストリアの動物福祉法では、自治体に動物福祉を学校や市民に理解させる義務がある。

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この特集について
from 動物愛護団体
提携した動物愛護団体(JAVA、PEACE、日本動物福祉協会、ALIVE)からの寄稿を紹介する特集です。
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