迫り来るミーちゃん、逃げ惑う少女
はじめまして、こんにちは。
ヤスダユキと申します。
著名な方々が名を連ねるなか、無名な人間の登場に戸惑っている方、すみません。何者かと申しますと、尊敬する岡本太郎先生のお言葉「肩書きは人間だ」にあやかって「肩書きは猫飼い」とでも言いましょうか。ギリギリ30代のライター…というほど仕事もない派遣社員兼主婦です。
さて、ヒトの紹介などどうでもいいのです。猫のことです。
初めて猫を飼ったのは4年前。ずっと猫が好きだったわけでも、飼いたかったわけでもありませんでした。
むしろ犬派で、猫には嫌な思い出しかなかったのです。
小学校低学年の頃、近所の団地の亜子ちゃんちに遊びに行ったときのこと。
玄関の扉を開けるや否や…
「フギャ――――!!」
けたたましい獣の声と、ドタバタと家中を何かが駆けずり回る音がしました。
しかし住人の亜子ちゃんは、その野生味あふれるサウンドに、一切動じることなく言いました。
「ミーちゃん、お友達だよ~」
ミーちゃんという名の生き物が出している音にしては怖すぎる…。私と共に招かれた由美ちゃんは、すっかりビビッて、玄関で固まっていました。
「大丈夫だから、上がって」
一瞬静かになったので、お化け屋敷を歩く要領で恐る恐る居間に入ると…
「ミギャァァ―――!!」
居間では、シャム猫風の気の強そうな大きな猫が、床だけでなく壁や天井まで、スーパーボールみたいに跳ね回っていました。
「きゃー!」
私と由美ちゃんは、映画「ジョーズ」の海水浴客みたいに逃げ惑うしかありません。
私は恐怖のあまり、他人の家の押し入れを勝手に開け、身を隠しました。もしミーちゃんに見つかったら、体中を引っ掻き回されて、バリバリにされるイメージしか浮かびませんでしたから。
ブルブル震えながら、押し入れの隙間から見たミーちゃんと亜子ちゃん、由美ちゃんが大騒ぎしている光景は、今でも目に焼き付いています。
そんな私が、なぜ猫飼いになったのか?それはまた次回以降に。
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