エステーの「保護ネコ応援プロジェクト」チームが保護猫団体を訪問 人と猫をつなぐ未来へ
エステー株式会社は、全ての猫が幸せに暮らせる社会の実現を目指す「保護ネコ応援プロジェクト」の取り組みのひとつとして、全国22の保護猫団体にエステーの猫用トイレ用品を寄贈しました。今回、プロジェクトのメンバーたちは、その寄贈先のひとつ、札幌市のNPO法人「猫と人を繋ぐツキネコ北海道」(以下、ツキネコ北海道)を訪問し、団体の活動のほか、猫と暮らす高齢者からどんな相談が寄せられているかや、猫が高齢になったときに必要な配慮についても聞きました。その様子をレポートします。
300匹の猫を保護
消臭芳香剤「消臭力」などの製品で知られるエステーは、2023年から全ての猫の幸せを願って保護ネコ応援プロジェクトをスタートしました。その一環として、今年4~5月にSNSでキャンペーンを実施。これはXとインスタグラムでの投稿やいいね、リポストを1アクションと数え、222アクションにつきエステーの猫用トイレ用品を1個寄贈するというもの。結果は、総アクション数120万9598(Xで36万1729、インスタグラムで84万7869)が寄せられ、全国22の保護猫団体にエステーの猫用トイレ用品を寄贈しました。
寄贈先のひとつ、札幌市を中心に活動するツキネコ北海道は、代表理事の吉井美穂子さんが2012年に立ち上げた保護猫団体です。
保護猫シェルター「ツキネコカフェ」と、終生飼養施設「月虹山荘」を運営するほか、人が苦手な猫たちが暮らす「月夜荘」、他にも賃貸の保護部屋2部屋に猫のシェルターを設けています。これらの施設のほかに、預かりボランティア宅で過ごしている猫も合わせると、現在、300匹ほどの猫を保護しています。
JR札幌駅から車で15分、市営地下鉄東西線西28丁目駅から徒歩8分の場所に位置するツキネコカフェは、猫と触れ合ったり遊んだりすることができる保護猫のシェルターです。現在カフェ営業はしていませんが、事前に予約をして入場料を支払うことで店内とシェルターに入ることができます。こちらではアクセスの良さをいかし定期的に譲渡会を行ったり、オリジナルグッズを販売したりしています。現在は、5つの部屋で計40~50匹の保護猫が暮らしています。
月虹山荘は、ツキネコカフェから車で15分ほどの山の中腹にある、2階建ての施設です。
「月虹山荘は、様々な事情で一緒に暮らすことが難しくなり飼い主さんが手放した猫たちを、生涯お世話する終生飼育施設として利用するために、金融機関からの融資のほか、クラウドファンディングで支援を得て取得した一軒家です。クラウドファンディングの目標額は1000万円でしたが、それを上回るほど多くの方に支援していただけました。もともと人が住んでいたのを猫仕様に大改装したんです」と話す吉井さん。
今のところ終生飼養を希望する飼い主さんはいないそうで、現在は多頭飼育崩壊からレスキューした猫や人慣れしていない猫など、約60匹の保護猫が暮らしています。
永年預かり制度で高齢者の生きがいを取り戻す
ツキネコ北海道の特徴的な取り組みのひとつは、「永年預かり制度」です。保護猫を譲渡するのではなく、期限を設けずに預かってもらい家族として一緒に暮らしてもらう制度で、譲渡との違いは猫の所有権がツキネコ北海道にあることです。
この制度は、高齢者の利用が多いそうです。なぜなら高齢者の場合、保護猫の譲渡を希望したとしても、年齢を理由に譲渡の対象とならないことがあるからです。
永年預かり制度の場合、猫の所有権はツキネコ北海道にあるので、さまざまな事情でもし預かり先で飼い続けられなくなったら、すぐに猫はツキネコ北海道が引き取ります。元気で猫と暮らすことができる環境があるけれども、年齢を理由に実現しなかった高齢者でも、猫との暮らしがかなう機会ができました。
始めたきっかけについて、プロジェクトのメンバーが尋ねると、吉井さんは親友から猫を託された経験がきっかけだったと話します。
「余命宣告を受けた同世代の親友から猫を託したいと言われたのですが、私も年齢的に飼うことはできません。そこで、ツキネコ北海道が猫を引き取れるよう手配し、生前贈与として寄付を受け取りました。猫たちの次の飼い主を見つけることと、猫が亡くなった際には親友のお墓に一緒に埋葬するという約束をしたんです。
この経験を通じて、『永年預かり制度』を作りたいと考え、多くの人々にとっても良い制度になると考えました。というのも、私自身も64歳の今が一番パワフルだと感じていて、元気な高齢者がいるなら、『保護猫を預けない手はない』と思ったから。何かあったらツキネコ北海道が全部サポートします」
永年預かり制度は2015 年からはじまり、これまで479匹を預け、ツキネコ北海道に戻ってきたのは16匹だそう。戻ってきた理由は、人間側の体調不良、猫の病気など。預かり先の年齢は70~80代が多いそうです。
「施設に入り、猫の世話ができなくなった」と相談
そしてツキネコ北海道への相談の中でも一番多いのが、「高齢の飼い主が施設に入ったり亡くなられたりして猫の世話ができなくなったので、猫を引き取ってほしい」という内容なのだそう。
こうした理由で猫を手放さざるをえない飼い主は、80代や90代の高齢者であることが多く、飼われている猫も15歳以上の高齢であるケースが多いため、高齢猫の保護が増えているそうです。
それに対してプロジェクトのメンバーの飯田寛子さんは次のように述べました。
「多くの人は元気なときには愛猫が残されることは考えられず、飼い主が亡くなった後に猫の飼育や引き取りの問題が発生します。保護した猫をどう幸せにするかだけでなく、ツキネコ北海道さんは人と猫ちゃんをつなぐことも考えているんですね」
吉井さんは、「人間側の問題も無視せず、行政と連携したりして、猫も人間の問題も解決することで、全体的なサポートを提供することが大切だと感じています」と話しました。
消臭効果を実感、快適なトイレ環境へ
寄贈したエステー猫用トイレ用品の使い心地は副代表の滝澤礼奈さん、ツキネコカフェスタッフの鹿内加奈さんにも好評でした。
「疾患のある猫が多いので、オシッコの色がシートで確認できるのはいいですね。シートを敷かなければオシッコが採れるので、そのまま検査に持っていけます」
対して飯田さんは「システムトイレはうんちとオシッコが分かれる二層式なのが、メリットのひとつ。『ニャンとも清潔トイレ』は、オシッコの色が確認できる白色シートにしています。また、オシッコがチップを通過しても、オシッコの成分に影響を与えません」と言います。
滝澤さんたちからは、他にも「今まで価格の安さから鉱物系の猫砂を使っていたんですが、砂が散らかることがあったんです。『ニャンとも清潔トイレ』のチップは、今までの砂よりも散らかりにくく、水をひっくり返してしまう猫にも適していますね」という声もありました。
また、「エステーペット 実感消臭スプレー」を使ったことで、「多頭飼育でも嫌なニオイがなくなった」と実感したそうです。
実感消臭スプレーは、乳酸菌生まれの消臭成分を配合し、ニオイをもとから徹底消臭します。猫がなめても問題のない成分で作られており、粒子が細かく広がるスプレーのため、猫砂に直接かけても砂は固まらないようになっています。
さらに今年6月からエステーに仲間入りした「ニャンとも清潔トイレ」ブランドで掲げる「猫ちゃん想い設計」に基づく製品作りや活動は、ペットファースト視点のお客様から根強く支持されており、エステーの「空気を通してペットとの快適な生活空間の提供」を目指すペットケア事業とシナジー効果が期待されます。
課題に向き合い、発信し続ける
プロジェクトのメンバーは、「私たちは現在、『保護ネコ応援プロジェクト』を進めており、商品提供だけでなく、保護猫団体様の活動や状況についても学び、それを社内外に発信する活動を行っています。さらに寄贈キャンペーンなども実施しており、これからもこの活動を続けていきたい」と話し、今後の保護猫の課題について吉井さんに尋ねました。
すると「適正にペットを飼うというのが簡単そうで難しいので、伝えていってもらえると今後の力になると思います」と、適正飼育の重要性が挙げられました。
エステー保護ネコ応援プロジェクトは、これからも全ての猫が幸せに暮らせる社会を目指して、活動していきます。
エステー×sippo保護ネコ応援プロジェクト2024 アンケートご回答のお願い
本活動を次年度に向けてより良いものにしていくため、アンケートへのご協力をお願い致します。いただいた回答は本活動にいかしてまいります。
●ニャンとも清潔トイレ
●エステーペット
●「保護ネコ応援プロジェクト」特設サイト
(撮影/高木亜麗、文/小見山友子)
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