毎日の介護も幸せな時間に 夏に17歳を迎えるご長寿犬「ココ」との暮らし
昨夏、16歳になった「ココ」について書かせていただきました。それが、あれよあれよという間に今年も2月半ばが過ぎたので、約半年後、ココは17歳になります。
深夜のトイレ事情
すでに失明してしまっていることは何度か書かせていただいています。それでも家中、ほとんど迷わずに歩き回り、私がキッチンでお湯を沸かし始めると足元で「ご飯、早く」と元気な声をあげます。
夜中、1時間半置きぐらいに起きてはトイレに行き、その度にクークー泣いて寝室にいる私を起こしに来るので、夏場はココがいるリビングのソファで寝る日も多かった私。当然のように慢性的な寝不足になっていることもすでに書かせていただきました。
このままずっと、ココの頻尿と徘徊に付き合うというのもどうしたものかと思っていたところ、最近のココは寒いからか、夜中ほとんど目を覚まさなくなりました。当然、トイレにもいかないので、朝、私より先にココが起きてしまうと、トイレシートまで間に合わなかったのか、ソファやテーブルの下などにオシッコでできた大きな水たまりができている日があります。
困ったことに、定位置が決まってあるワケではなく、その日によっていろいろな場所でしているので、灯りを点けたり、カーテンやブラインドを開ける前の暗闇で、踏んづけてしまったりすることもしばしば。
起き抜けにオシッコを踏んだり、ときには、その水たまりで足を滑らして転倒しかかったりしてしまう朝の“落ち込み”というのは、なかなかのものですよ(苦笑)。思わず、「ココ~~~~、どこでオシッコしてるのよ~~~~」と声をあげてしまうこともあります。
洗濯に追われる日々
ただ、これがフローリングにしてくれていれば、まだいいのです。厚手のブランケットやココのために買った正方形の何枚ものマット、ドーム型のベッド、円形のベッドなどなど、現在ココが独占している“寝具”の上にオシッコをされてしまっている日のほうが正直、多い……。
冬場なので丸1日かけても乾ききらないであろう、これらの寝具をバスルームで洗ったり、寒いなか外干ししたりする日々が今冬は続きました。東京でも氷点下になる日は、それらがパリンパリンに凍ってしまっていて……。
そして私のほうがココより先に起きたときは、極小犬ゆえ、現在も2㎏あるかないかの軽いココを持ち上げてトイレシートのある場所まで連れていってあげます。するとすぐに大量のオシッコをします。
オシッコで汚れた寝具やマットを毎日のように洗い、抱っこをしてトイレをさせる……? 私はまだ未経験ですが、これは人間の介護に近いのでしょうか……?
毎日のお世話もありがたい
実は以前、ココにオムツを履かせようと、ずいぶんチャレンジしたことがありました。ですが、かたくなに着けてくれませんでした。
そういえば先日、実家で私の母と暮らしている弟の嫁から「お義母さんに紙オムツを履かせたいと思うのですが、なかなか、私の言うことを聞いてくれなくて」と“泣き”のLINEが届きました。母は91歳。お陰様で、いまのところ、身の回りのことはすべて自分でできるのですが、軽い尿モレしていることに気づかないようなのです。嫁いわく、少し臭いがするということから紙オムツの装着を勧めたようなのですが、それでも「どうしてそんなことを言うの?私にはまだ要らないわよ」とかたくななのだとか。
ココがオムツを嫌う理由とは異なりますが、近い将来、私がやることになるであろう母の介護とココの現在が重なりました。
ココは目が見えないのと、かゆがりであること以外に、幸いにも内臓疾患は特にないのですが、もしかして、最近私がココにしているお世話は、母の介護をするための予行演習なのではないかと思っているところです。そう、「ピン」が身をもって、私に“さようならの流儀”を教えてくれたように、ココも私にいろいろなことを教えてくれているのだと考えたら、トイレシートまでの介助や、毎日の大量の洗濯物なども、ありがたいことに思えてきました。
そうそう、最近のココの変化で驚くのは、ココは私の声かけに「ウン」と(聞こえるような)返事をするようになりました。これが空耳とか聞き間違いとかではなく、本当に、かわいい声で「ウン」と言うから驚きです。
その返事はもちろん、私がココを抱っこしてバルコニーに出て、お空のピンと交わす会話のときにも連発されます。極寒の日でも、バルコニーに出たがり、私が「ピンちゃん、ココのこと、ちゃんとわかってるよ。守ってくれてるよ」などとココに声をかけると、いつも「ピン」のタイミングで空を見上げるココ。失明していても、ココにはピンが見えているし、私の話も理解できているのでしょう。
犬は最後のときまで教えてくれる
Facebookで友人の投稿を見ていたら、長寿犬に表彰状を贈呈する区があることを知りました。私が住んでいる区では聞いたことがないので、おそらくいただけないのだとは思いますが、ココは間違いなく、御長寿犬です。
もちろん、ピンもピン自身の犬生を懸命に生きてくれました。余命3カ月と宣告された後、1年以上もがんばってくれたピン……。それまで動物と暮らしたことが一度もなかった私に、本当にいろいろなことを教えてくれました。こうして、改めてピンのことを書くとまた涙があふれてきてしまいますが、悲しい涙や後悔の涙だけではなく、「ありがとう」という感謝の涙もたくさん含まれています。ピンとの別れや、初めて自分で出すお葬式を経験した翌年、父が10日ほどの入院生活の末、旅立ったときも、私は後悔することなく、身の回りのことをやれたし、母や弟に代わって喪主のようにすべてを段取ることができたのですから。そして再び、愛犬から介護を学ぶ日々……。犬って、本当にすごいです……。
(次回は3月14日公開予定です)
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