毛皮のために苦しむ動物をなくすため 実態を知り、買わないという選択を
本格的な寒さを迎え、温かい服装でおしゃれを楽しむ季節になりました。毛皮は以前に比べ、コート全体に使うより、フードの縁取りなど部分的に使われる傾向にありますが、依然として多く出回っています。「華やか」「フワフワでかわいい」といったイメージを持たれている毛皮の残酷な実態を知ってください。
毛皮は動物にも環境にも残酷
ファッションアイテムに使われる動物の毛皮は、食肉の副産物ではありません。毛皮を取るためだけに動物は農場で飼育されています。毛皮でよく使われるミンク・キツネ・ウサギ・タヌキ・チンチラなどは元々野生動物なので、本来の習性と全く異なる環境で、しかも狭くて不衛生な金網ケージの中でストレスフルな一生を過ごさねばなりません。
そして、二酸化炭素による窒息殺や口と肛門から電気を流す感電殺のような残酷な方法で殺されます。その数は毎年1億匹を超えます。
コヨーテ、ボブキャット、キツネなどの野生動物も、毛皮のためにハンターが仕掛けたトラバサミなどの残酷な罠で捕獲されます。失血やショックで死ぬ動物もいますが、ほとんどの動物は数日間罠にかかったまま放置され、戻ってきたハンターに殴られたり、首を絞められたり、踏みつけられたりして殺されます。
毛皮農場からは、肥料、余分な飼料、動物の排泄物が流出し、その地域の自然や地域社会に悪影響を与えます。
また、毛皮農場から逃げた動物は、その地域の生態系と生物多様性にダメージを与えます。
動物からはがされた毛皮は腐敗を防ぐために、さまざまな薬品で処理されます。これには有毒な化学物質と重金属が含まれています。
以上のことから、毛皮と毛皮農場は、動物保護・環境保護・生物多様性の観点から廃止にすることが必須と言えるでしょう。
毛皮と毛皮農場を取り巻く世界の動き
JAVAもメンバーになっている毛皮に反対する国際連盟Fur Free Alliance(FFA)(事務局:オランダ アムステルダム)。世界35か国以上に拠点を置き、50以上の動物保護団体で構成され、毛皮の廃止にむけて加盟団体が連携して活動しています。
FFAの活動の成果もあって、毛皮のために動物を飼育することは非倫理的で時代遅れであると、法律で毛皮農場を禁止、または毛皮製品の販売を禁止する国や地域が増えてきています。日本においては、2006年、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」の規制により、新しくミンク農場を開設することができなくなりました。そして2016年に最後のミンク農場が閉鎖され、国内すべての毛皮農場はなくなりました。
また、FFAからの働きかけや消費者の毛皮反対の声の高まりを受けて、アルマーニ、バーバリー、グッチ、プラダなどの有名な高級ブランドをはじめ、多くのファッションブランドがファーフリー(毛皮を使用しない)宣言をしています。現在その数は、FFAが把握しているだけで1500以上にのぼります。
毛皮をなくすためにできること
日本には毛皮農場はありませんが、毛皮の輸入販売は依然として行われています。毛皮をなくすためには需要をなくすこと、つまり、買わないことが必要なのです。消費者である私達一人ひとりができるアクションがあります。
■ファーフリーブランドの商品を選ぶ
JAVAはウェブサイトに、日本で購入できる、日本からオンラインで注文できる「FUR FREE(毛皮を使わない)ブランドリスト」を掲載しています。ぜひお買い物の参考になさってください。
■表示の確認と問い合わせをする
商品の素材はタグの表示にされていますが、この表示については、家庭用品品質表示法(消費者庁所管)で決められています。エコファーは繊維製品なので素材の表示が義務付けされていますが、リアルファーは繊維製品ではないので対象外です。そのため、表示があるのがエコファーということになりますが、わかりにくい場合にはお店のスタッフに「これはリアルファーですか?エコファーですか?リアルファーなら買いたくないです」と聞いてみてください。また、商品のメーカーやブランドに消費者の声を届けるのも良い方法です。
■周りの人たちにも伝える
そして、家族や友人など周りの人たちに毛皮の実態を伝えてください。ひとりでも多くの方に知っていただき、動物に優しい、お気に入りのファッションを選んでいただきましょう。
※記事の内容は2022年10月時点のものです
参考:https://www.furfreealliance.com/fur-bans/
(次回は2023年1月9日公開予定です)
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