愛猫「あんず」、満月の夜の弾丸ダッシュ 少しでも長く見たいから、健康に気をつけて

 秋と言えばお月見。月の満ち欠けと猫の関係には、深いつながりがあると昔から言われているそうです。

愛猫が満月の夜に…

 ちょうど今年の十五夜ごろ、愛猫のサビ猫・あんずの“夜の弾丸ダッシュ”が激しい日がありました。

 若いころは毎日の日課だったあんずの弾丸ダッシュ。10歳を過ぎて、毎日はしなくなったものの、たまに激しい日があるのですが、今年の十五夜ごろの夜はいっそう激しかった。

 それまで猫ベッドでまったりしていたかと思ったら、夜の9時ごろに突然、ダダダーッとダッシュを始めたあんず。

 まだ2歳の娘が起きていて「……あんちゃん、すごいねぇ」と呆然と見つめるほどでした。いつものダッシュなら、何も起きていないくらいに反応しない娘が目を離せないほどの弾丸ダッシュだったのです。

 娘が育つにつれ、どんどん狭くなる我が家。廊下がほぼないので、ストレートで走れるコースが少なくなってきたものの、上手に曲がりながらダダダーッと走っては折り返し、同じコースを反復し続けるあんず。

 コースの途中に相棒猫のモモがぼーっとたたずんでいて、愚鈍なため避けきれずちょっと巻き込まれていましたが、お構いなしに走ります。

 その日は数分ダッシュをして、ハァハァと呼吸を荒くしながら次第に落ち着いていき、いつの間にか、まったりしていました。

サビ猫「あんず」
顔は幼いあんず

 そういえば、今年の十五夜は満月になるとか言っていた気がする(見ていないけど)。満月に近いから、あんずは落ち着かなくなったのか? 保護猫でありながら、ほぼ野生を知らないあんず(母猫と共に保護された)にも、野生の心があるのか?と、興味深くなりました。

 と、ネットで検索してみると、「新月のときに元気になり、満月はリラックス状態になる猫が多い。猫は本来、狩猟活動をするため、暗いときは活発に行動し、明るいときは休むため」と書いてありました。

 ……真逆だった。あんずは、明るい満月あたりの夜に活発になっていたのですから。

 確かに、赤ちゃん猫の頃から家庭の明かりで過ごしているのですから、月明かりで明るいも新月だから暗いも、感じられないですよね。あんずの弾丸ダッシュと月は、何ら関係がなかったのかもしれません。

弾丸ダッシュしても、2匹一緒だと……

 この日ほどじゃないものの、あんずはよくダッシュしているので、つい高齢であることを忘れてしまいがちです。

 一方、キジトラ猫のモモは、子猫の頃から弾丸ダッシュなどほぼしないし、動きの少ないおとなしめの猫なので、あんずとは違った意味で「高齢になったな」という判断が付きづらかったりします。幼猫の頃からおばあちゃんみたいな猫なので。

キジトラ猫「モモ」
たたずむモモ

 今年の夏に、友人の老猫が夏バテで食が細くなり、「年老いたなぁと感じたよ」と言っていましたが、2匹とも食は元気いっぱい。老体を気づかって、高齢の猫用のカリカリごはんをあげても食いつきが悪く、若いころから食べているカリカリを食べ続けています。

 それぞれの日常で高齢になったと感じることは少ないものの、2匹一緒の行動では高齢になったと感じることができるんです。

 特に分かりやすいのが、2匹の日常“かみつき相撲”。先日も、あんずの高ぶりが激しかった日に、モモにちょっかいを出して、にらみ合いが始まりました。

キジトラ猫「モモ」とサビ猫「あんず」
あんず「やる?」モモは形勢不利

 お互い目線を外さず、大抵あんずから飛びかかります。そこから団子状になって、ゴロゴロ転がって、ズタンズタンと音を立てながら、お互い上下代わる代わるになってかみつき合って、取っ組み合いのじゃれ合いをするんです。ケンカにも見えますが、我が家の猫にとっては、スポーツのようなものです。

 これが始まると10分でもやっていた2匹ですが、最近は一瞬で終わります。

 にらみ合いの時間がわりと長く、その後あんずが飛びかかって、モモも応戦。団子状になるのはほんの一瞬で、少しバタバタしたのち、2匹は離れて「今日はこのぐらいにしておいてあげるわ」とそれぞれの場所へ解散します。

キジトラ猫「モモ」とサビ猫「あんず」
あんず「やらないの?」モモ「負ける試合はいやなのよ」

「短っ!」と、思わず言ってしまうのですが、老猫たちのプライドを傷つけないように、そっと見守っていきたいです。

 もしかして、お互いの体を気遣っているのか?とも思いましたが、おそらく体がついていかないというより、大人になって心が盛り上がらないのだと思われます。寂しい……。

 かみつき相撲も毎日ではなくなり、短時間にもなって寂しいものですが、せめてあんずが少しでも長く弾丸ダッシュできるよう、健康には注意してあげたいものだと思った秋の夜でした。

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安田有希子
2015年からsippoにて「猫アレルギーですけど」の連載開始。2匹の元保護猫と暮らして4年目に猫アレルギーが発覚するも、平和に暮らす。猫の好きなパーツは、小さく並んだ門歯。幼少の頃「うちのタマ知りませんか?」のすごろくに大ハマりした年代。栃木県出身。

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この連載について
猫アレルギーですけど
普通の家で飼われている猫「あんず」と「モモ」。飼い主の主婦が、2匹との生活や発見をユニークな視点で切り取る人気連載です。
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