まるでボクサーとSNSで話題の保護猫 兄弟で迎え外猫や飼育環境への意識が高まった
ボクシング界にキュートな新星が誕生した。その名はクウちゃん。来月3歳を迎える茶白の若猫だ。4月半ばに投稿されたツイートが「まるでボクシングだ!」と話題になった。「あしたのジョー」のひとこまを彷彿とさせる力強い左ストレートは半月で3万6000リツイート、16万いいねを超え、注目を集めている。
「世界ニャンピオン」に16万いいね
猫パンチは
— クウとカイ (@kunyan_kainyan) April 13, 2021
脇をギュッ!と縮めて〜
パッ!と出す pic.twitter.com/wU0HJ9jN6U
写真を投稿した飼い主のクウとカイ(@kunyan_kainyan)さんによると、猫じゃらしで遊んでいるときのカットなのだそう。
「クウちゃんは活発な性格で『遊んで遊んで』と要求してくるので、猫じゃらしを使って遊んでいるときの姿を連写で撮ったものです。じゃらしにつられてよく立ち上がったり飛んだりするんですよ」
直立が得意なクウちゃんは、昨年9月にも猫じゃらしにつられた「おねだりポーズ」が「あざと可愛い」と話題となり、2万いいねがついた。
生後3か月の保護猫兄弟を家族に
クウとカイさんの家では、クウちゃんと兄弟の茶トラ猫・カイちゃんも暮らしている。保護猫だった2匹は一緒に迎えられた。
幼少期から猫と生活してきたクウとカイさんは、ペット可住宅への転居を機に、猫が利用しやすいよう低めの家具を設置したり、スマートフォンで遠隔操作可能なエアコンを選ぶなど準備を整えつつ、譲渡サイトをチェックしていた。なかなか出会いに恵まれなかったが、2018年8月、近所で譲渡会が開催されるという情報を得た。
「譲渡会が始まってすぐ、クウちゃんがニャーニャーと元気よく鳴き始めました。ケージに手を近づけるとチョイチョイと足を出したり、好奇心旺盛でアピールしてくるんです。カイちゃんは対照的にケージの真ん中でギューッと縮こまっていました。この兄弟を離れ離れにしたら大丈夫かなって……。当初複数飼育の予定はなかったのですが、引き離すことは考えられず、『2匹一緒に迎えたい』とトライアルの申し込みを決意しました」
生後約3カ月で迎えられた2匹は、環境の変化にすぐ順応した。
「迎えた当日からキャットタワーに登り、翌日にはへそ天で寝ていました。でも2匹くっついて眠る姿を見ると、『一緒だから安心なんだ。2匹一緒でよかったな』とつくづく思いました」
性格は対照的
朝ご飯のあと追いかけっこをしてお昼寝。夕食後はクウとカイさんと猫じゃらしで遊んだり、2匹で追いかけっこをするなどすこやかに成長した。
「私がリビングにいればリビングに来るし、別の部屋に行けば別の部屋に遅れてくるなど、視界に入るところにいます(笑)。性格は対照的ですがどちらも甘えん坊ですよ」
活発で感情豊かに表現するクウちゃんに対し、カイちゃんは控えめな性格。しかし、食事のときはカイちゃんの意思が顔をのぞかせる。
「クウちゃんは小食で、好き嫌いや気分によるムラがあるのですが、カイちゃんは何を出してもきれいにぺろっと食べてくれます。クウちゃんの食べ残しも狙うので、カイちゃんのお皿は1グラムほど減らして出すようにしています(笑)」
適正飼育を周知したい
クウとカイさんは、2匹を迎えてからも彼らを譲り受けた保護団体の譲渡会に足を運んでいる。成長を報告したり寄付を行うなかで、屋外で生活する猫たちを取り巻く厳しい現実を耳にしてきた。
身近で切実な問題として重く受け止めるようになり、この春には愛玩動物飼養管理士の資格を取得した。
「クウちゃんやカイちゃんも、もし保護されていなかったら夏の暑さを乗り切れただろうか。台風をしのげただろうか。冬の寒さはどうしていただろうかと想像すると、他人事と思えなくなりました。室内飼養や保護犬・保護猫を狙った詐欺などの問題を周知するためには、まず自分が正しい知識を身に着けた上で発信する必要があると思ったんです。クウちゃん、カイちゃんの写真に興味を持ってもらえたときには、『危険な外で暮らす猫は減ってほしい』『猫を外に出すことは他人の迷惑にもなる』ということも伝えていきたいと思います」
猫は室内で、無理なく飼える数を。
クウとカイさんは、家族に迎えた2匹の幸せな環境づくりに力を入れるとともに、過酷な環境で暮らさざるを得ない猫たちが少しでも減ることを願っている。
(写真提供:クウとカイさん)
- クウとカイさんのTwitter:@kunyan_kainyan
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