元繁殖犬に変化 ドッグランで遊び、名前を呼ぶと走って戻ってきてくれるまでに
兵庫県の一軒家で、2匹の保護猫と暮らしていたせんきちさん。そこへ昨年、保護団体から引き取った元繁殖犬の「ちゃこ」が加わった。出会いは保護犬カフェ。その日常を、彼のインスタグラム(@bumcu705)で発信していた。
保護猫との暮らしに慣れてきて
「インスタグラムは、保護猫との暮らしの記録として始めました。ときどき譲渡会や里親募集の情報を載せているのですが、応援のコメントをいただくと励まされますね。少しでも保護活動のお手伝いができているなら、うれしいです」
4歳の三毛猫「はる」と、3歳のキジ猫「いちか」、そこへ推定5歳のチワワ「ちゃこ」が加わった。ちゃこは、2020年5月に保護団体から引き取ったという。
「もともと犬も好きでしたが、散歩のことを考えるとハードルが高くて踏み切れずにいたんです。でも、猫たちとの暮らしに慣れてきて気持ちに余裕が生まれたのか、いまなら大丈夫かもしれないと思うようになったのがきっかけです」
出会いは保護犬カフェ
まだ迷いもあったが、かねてよりつながりのあった保護犬カフェに通い始めた。そこであるとき、ちゃこと出会う。
「直感で、『この子だ!』と思いました。おとなしそうで可愛らしくて。『きっとすぐに引き取り手が見つかってしまうだろうから、迷っている時間はない』と即決でした。保護団体のスタッフさんからも、『やっと決心できた?』と言われてしまって(笑)」
元繁殖犬として保護されていたちゃこ。せんきちさんは悪徳ブリーダーなどの存在も知っていたが、あえて詳しいことは聞かなかったという。
「聞けばいろんな情報は入ってきたでしょう。でも、僕は『きっと大変だっただろうな』と想像するに留めました。ちゃこのバックグラウンドに胸を痛めるよりも、いまのちゃこを見て自分にできることを考えていこうと思ったんです」
保護カフェでの出会いからすぐに、ちゃこを迎え入れることに。
「最初は先住猫たちが威嚇してしまって落ち着かなかったのですが、ちゃこはしばらく様子を伺っていて、おしなべて大人しかったことを覚えています。いまでは互いに干渉し合わず、仲も悪くなく、いい距離感を保っていますね」
社交的な性格に驚き
すぐに散歩に連れて行くようになり、ちゃこの意外な一面に驚いたという。
「元繁殖犬って外に出たことがないから、散歩を怖がる子が多いと聞いて心配していたのですが、ちゃこは人間も他の犬もまったく怖がらなくて。おとなしい性格だと思っていたのに、意外と人懐っこくて社交的だったことに驚きましたね。いまではたくさんの散歩仲間に可愛がっていただいています」
最近は、少し遠出をしてドッグランにも出向くように。
「同じくらいの小型犬種の子たちと一緒に走り回って、楽しそうに遊んでいます。リードがないのがいいのでしょうね、自由で。遠くの方にいても、名前を呼ぶと走って戻ってきてくれるんです。そういう姿を見ると、可愛いなぁと思いますね」
単身男性の前に立ちはだかるハードル
「保護犬の存在を知らなければ、犬はペットショップで買うものだと考えてしまいますよね。僕もそう思い込んでいたひとりです。
一方で、たとえば僕のような単身男性は、どうしても保護動物を引き取るための条件を厳しく設定されがちなんです。理由は、単身男性というだけで虐待目的と疑われてしまう傾向にあるためで……。保護団体のスタッフさんも書類や数時間の対面だけではそこまで把握できませんから、動物を守るためには仕方ないのですが……。何かいい方法がないかなと思っています」
また、万が一の備えも一人暮らしには必須だ。
「近くに住む家族だったり保護団体さんだったり、頼れる先をいくつか確保しておく必要がありますよね。僕自身に何かあってもちゃこたちの暮らしが守れるよう、いまから考えています」
とにかく普通に楽しく
いま、ちゃこに対して思うことは――。
「これまで苦労してきたであろうちゃこに、どれだけのことをしてあげられるか分かりません。でも、ちゃこも僕も、もちろんはるといちかも、とにかく普通に、楽しく暮らしていけたらと思っています」
せんきちさんは、新しい習慣となった朝晩の散歩を何よりも優先させて、ちゃことの暮らしを楽しんでいるようだ。
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