奄美の猫を救う譲渡型猫カフェ 目標は「人の都合で動物を処分することのない未来」

 奄美大島では、世界遺産登録を目標にした「ノネコ管理計画」による猫の駆除が進められている。これは、特別天然記念物に指定されている「アマミノクロウサギ」などの希少動物を野生化したノネコが捕食するため駆除するという10年計画。しかも捕獲後1週間以内に譲渡先が決まらなければ殺処分されてしまうという。

「CAIT SITH(ケット・シー)」は、そんな悲しい事実に目を向けた服部由佳さんが、奄美の猫たちを救うために4月5日にオープンした譲渡型猫カフェだ。

服部由佳さんと、奄美で捕獲された猫「あまみん」
服部由佳さんと、2019年2月に奄美で捕獲された「あまみん」(3歳♂)。服部さんは、美容院を経営しながら猫カフェの運営に取り組んでいる

「昨年、奄美大島のノネコ問題を知り、愛情をかければ慣れる猫が、なぜ1週間で殺されなければならないのかと憤りを覚えました。多くの疑問の中、自分には何ができるのか悩み、奄美の保護猫の譲渡を目的としたカフェを開くことを決めました」

 開店資金の一部はクラウドファンディングを利用し、約2週間で目標額を達成。店内の設計は、家庭動物住環境研究家の金巻とも子さんが手がけ、「猫たちが会いに来てくれた人に安心して近寄れること」に重点を置き、猫の動線の高さや位置も工夫した。滑りにくい床材を用いた通路や床、猫の脱走防止のための2重扉、猫の休憩スペースなど、細部に渡り配慮がなされている。

キャットステップを渡るキジ猫
十分な上下運動ができる室内

「オープンまでは、保護猫引き取りの申請の壁、遠い奄美大島からの輸送の問題など、さまざまな壁がありましたが、ボランティアグループ『あまみのねこひっこし応援団!』の皆さんとともに乗り越えることができました」と服部さん。

奄美大島で保護された茶トラ猫
奄美大島で保護され羽田空港に到着した猫は「あまみのねこひっこし応援団!」の手を借りて保護施設に向かう

 オープン早々、新型コロナウイルス感染拡大の影響で、定員制やタイムスケジュールによる営業となったものの、里親希望者も多く、トライアルのための猫の移動など、忙しい日々だ。

「お客様には純粋な心を持った猫たちと触れ合っていただきながら、奄美大島の猫を救う活動のことを伝えていきます。最終的な目標は『人の都合で動物を処分することのない未来』です。そのためにも、救ってほしいと願う動物が見えないところにたくさんいることをCAIT SITHを通じて、伝えていきたいと思います」。

キャットステップでくつろぐキジ猫
邪魔されない休憩スペースでくつろぐ

(取材・西宮三代/ 写真提供・CAIT SITH)

CAIT SITH
住所:神奈川県横浜市都筑区中川中央1-24-2 さかぐちビル2F
営業時間:11:00~19:30 ※変更になる場合があります
定休日:不定休
お問い合わせ:caitsithnekochan@gmail.com
公式サイト:https://caitsith22.com
Twitter:@CaitSith502
Instagram:caitsith2020

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