数値規制で環境相に要望書 「国際的な動物福祉にかなうものに」
繁殖業者やペットショップによる劣悪飼育の問題を訴えてきた「TOKYO ZEROキャンペーン」の藤野真紀子代表や演出家の宮本亞門さん、俳優の浅田美代子さんらが19日、国際的な動物福祉にかなう水準に達する数値規制の実現を求め、小泉進次郎環境相に要望書を提出した。小泉氏は「劣悪業者にレッドカードをだせるようにという思いは共有している」などと答えた。
議連案の採用求める
藤野さんは「子犬・子猫の適切な社会化と免疫力の向上をはかるために導入された8週齢規制と、厳格な数値規制は絶対にセットで実現しなければいけない」などと訴え、超党派の「犬猫の殺処分ゼロをめざす動物愛護議員連盟」が作成した基準案を、環境省令で採用するよう求めた。浅田さんも、自身が実際にレスキューに入った劣悪な繁殖業者の写真を小泉氏に示しながら、「超党派議連が出した、根拠ある数々の数値を、なんとか盛り込んでほしい」と話した。
また宮本さんは、「進次郎さんにエールを送りにきた。なんとか事態を変えてくれるよう、環境省に僕は期待している」などと語りかけ、俳優のとよた真帆さんは「重ねられたケージのなかで糞尿を垂れ流しながら暮らしているのが、ペットショップで売られている子たちの親なのです。根底をただしてほしい」と訴えた。ほかにも、経済評論家の勝間和代さんが「劣悪業者が存在するのはお金がもうかるという正のインセンティブがあるから。負のインセンティブである数値規制を作らないと、この状況はなおらない」と話した。
環境相「劣悪業者にレッドカードを」
小泉氏はこれらの訴えに、「皆さんと共有している思いは、劣悪な環境で飼育しているような業者にレッドカードを出せるということ。それを数値化できるものは数値化する。必ずしも数値化がなじまないものについても、定性的な基準を作っていく。皆さんの思いが少しでも反映されるよう努力していきたい」と答えた。
この日はほかにジャーナリストの蟹瀬誠一さん、パティシエの鎧塚俊彦さん、プロ野球中日ドラゴンズの門倉健2軍投手コーチ(妻が代理出席)らが参加した。環境省はまもなく、数値規制の素案を示す。数値規制が盛り込まれた環境省令は、来年6月に施行される。
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