かくれ猫の姿に思わずクスッ 本気が空回りする姿も可愛い写真集
鳴き声はするけどどこ?戸外や室内でひっそりと、時に面白い格好で猫がかくれんぼ。猫写真家・沖昌之さんと全国の猫好きによる“どこかにかくれた猫の姿”を集めた『かくれネコ』が白夜書房から発売されました。新刊に込めた思いを沖さんに伺いました。
参加型の写真集に
――草むらで獲物を狙ったり、神社や岩場に身をかくしたり、室内では布団や籠に…猫の習性(かくれる)に注目した新刊は、野生を感じながらもほっこり…。沖さんの写真と日本中の猫好きの写真を合わせた構成ですが、本書を作ったいきさつを教えてください。
「最初はぼくの写真だけで仕上げる案を編集部から頂いたのですが、皆さんの自慢のかくれ猫や愛猫のかくれた姿が印刷物になったら嬉しいよねと思って、参加型にしました。基本は写真1枚に対し1ページ、なんなら2ページ見開きにしたら喜んでもらえるし、色出しもグラビアくらい綺麗に出せたらいいなって思ったんです。採用された方が“友達に自慢できるように”という1冊を目指しました」
――沖さんと猫ファンによる“コラボ”ですね。どんなふうに進めたのですか?
「ぼくの写真は450枚から約30枚、皆さんの写真は2500枚から約60枚、編集部の方と厳選しました。SNSで 『#かくれネコ探し隊』というハッシュタグをつけて投稿してもらう形にしたのですが、どうやったら楽しんで投稿してもらえるか、どうしたらこの写真集のイベントが隅々にまで伝わっていくかな、と探っていきました」
――制作中に楽しかったこと、大変だったことはありますか。
「『#かくれネコ探し隊』は、とてもかわいいワードだなと自画自賛しています。あわよくばこのハッシュタグがSNS内で末永く使用されたらいいし、写真展も行って採用された方たちが喜んでくれるような場を作れたらいいなあ…そんな先に広がる妄想話を担当編集の方にしたら、それを聞いて(話にのって)もらえる楽しさがありました。
皆さんの写真を見返すうちに、見落としたのか 『いいね!』と思う写真が増えて、どのタイミングで見直しを諦めるか…が苦労でした。でも増えた写真をシチュエーションごとに並べ直してベストな写真を選ぶ作業も、猫が可愛いので楽しかった(笑)」
心と心をつなぐ手段になったら
――この写真集をどんな風に楽しんでほしいですか?
「(新型コロナで)重たい気分なこのご時世なので、まずは表紙から気分があがってほしい。ページをめくると 『ぜんぜんかくれてない』って突っ込まれるかもしれないけど、猫って“本気が空回り”していることが結構あって可愛いいので、そういうところでクスッと笑みがこぼれるといいな。そのことをLINEとかSNSで共有して仲間と笑いあうとか、顔を合わさなくても、大切な人と心と心をつなぐ手段のひとつになったらうれしい」
本書については、白夜書房の編集者も「明るい写真や面白く楽しく感じてもらえる写真を意識して選んだ」と話しています。
「ご家族やお友達との明るい話題になるとよいですね。また。自分で猫の写真を撮りたいと思う人が増えると嬉しいです」(担当編集者)
作り手の熱い思いが“かくれた”楽しい一冊です。
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