ペット保険契約件数に増加傾向 ペットの家族化や高齢化が背景に

 ペットが病気になったり、けがをしたりした時にできる限りの治療を受けさせたいと、飼い主が「ペット保険」に加入する例が増えている。ペットの高齢化などで、治療費が高額化していることも背景にある。

 富士経済によると、ここ数年の契約件数は毎年10%以上も増加。2021年には18年の1.4倍になると予測する。それでも加入率はまだ1割程度にとどまっており、業界には「まだまだ市場は拡大する」との期待がある。

ペット保険の契約件数推移
ペット保険の契約件数推移

「ペットが家族化していることで、保険の必要性が増している」と話すのは、ペット保険大手アニコム損害保険近畿支店の平野宏一・営業1課長。同社のペット保険の対象は、犬猫だけでなくウサギやリス、爬虫(はちゅう)類など10種類以上に及ぶ。

 手術をともなう治療では数十万円の支払いが必要な場合もあるが、ペットの治療費は飼い主の全額負担が原則。この治療費の5割、7割を補償する保険は飼い主にとって大きな味方だ。

パンフレットと保険証
パンフレットと保険証

 同社の調査では、この10年ほどで人間の年齢に換算すると犬は約4~5歳、猫は約3~3.5歳ほど延びているという。ペットが長生きになれば、人間と同様に病気やけがのリスクは高まる。

 アイペット損害保険は昨年、生保大手の第一生命と提携し、同社の営業職員にペット保険を販売してもらう取り組みを始めた。近年増えているインターネットを経由した加入申し込みに不慣れな人たちを取り込む狙いだ。「対面形式での契約増に期待している」(アイペット広報)と話す。

ペット保険のパンフレットと動物病院の窓口で自己負担分の支払いだけが可能な保険証(左)
ペット保険のパンフレットと動物病院の窓口で自己負担分の支払いだけが可能な保険証(左)

 保険金請求の手間をなくそうと、一部の保険では保険証を発行している。窓口に保険証を提出すれば、補償額を差し引いた金額の支払いで済むサービスも始めている。
(金井和之)

<メモ>
 業界大手のアニコム損害保険が扱う保険では、3歳のトイプードルにかかった治療費の7割を補償するタイプの保険料が月額3580円。通院や入院は1日最高1万4千円までで、年各20日まで補償する。手術は1回最高14万円を年2回まで補償する。

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