グリーフからの回復には段階がある 過程を知ると少し楽に 

「くまお」を迎えてもうじき6年、「こぐま」が加わり、猫2匹との生活をはじめて2年が経ちました。くまおは日々マイペースに昼寝中心。ご飯よりも、なでられることを好み、すっかり甘えん坊な性格の猫に仕上がりました。

なでるを通り越してコネられるくまお
なでるを通り越してコネられるくまお

2匹との幸せな生活

 そんなくまおの安眠に、おりゃ~と飛び蹴りで突入するのが、後から来た妹のこぐま。こぐまは自由奔放。「あそびたい!」のスイッチが入ると激しいのです。

 こぐまのリクエストに答えて、5回に1回はくまおもシブシブ追いかけっこの鬼役にまわります。たいてい、こぐまが逃げて、くまおが鬼。

いたずらっこが過ぎてソファはすっかりネコの爪とぎへ変身
いたずらっこが過ぎてソファはすっかりネコの爪とぎへ変身

 くまおは筋肉質ではありますが、ぽっこり体型なので、追いかけっこの様子はまさに、おじさんがお腹を前につき出して必死に走っている光景と重なります。シブシブだったくまおもどこか楽しそうです。

 そんな2匹の様子を見ていると、猫同士のコミュニケーションはシンプルでいいなぁ、と感じるのと同時に、目の前の当たり前の光景は本当に幸せなことだと実感します。

こぐまのキックを顔で受け止めるくまお
こぐまのキックを顔で受け止めるくまお

 ですが、この幸せな生活にも、必ず最後はやって来ます。

 私の溺愛っぷりは、まわりから心配されることも多いのですが、別れを想像してセンチメンタルになっている場合ではなく、なんとしても人間が2匹を見送らなければ、と改めて気を引き締めようと思うようになりました。

 こんな風にちょっとだけ冷静に考えられるようになったのは、阿部美奈子先生から「自分にとって大切なものを失うかもしれないと感じたときに、グリーフを感じるのはごく自然な心と身体の反応」と学んでからでした。どんな心の変化を経て回復していくのか、という過程を知れたことが大きかったのです。

 今日は阿部先生から教えていただいた回復の過程をご紹介したいと思います。

グリーフから回復する心理過程

 なにかショックな出来事や悲しいことが起こったとき、それがオンリーワンでスペシャルな存在であればあるほど、立ち直るのは難しいことだといいます。

(1)衝撃期

「頭が真っ白になって何も考えられない」「信じられない!」とよく聞きますが、それが「衝撃期」。この状態のときにものを冷静に考えられないのは自然だということを聞いて、自分のときと重ね合わせて納得しました。

(2)悲痛期

「自分がしなければ、この子はこうはならなかったかも」「あのときこうしていれば」と後悔や自責がやってくる「悲痛期」は真の心の痛みを感じる時。

(3)回復期

 その後、起こったことを受け入れられるようになり、肯定的に考えられるようになるのが「回復期」。ここでやっと立ち直りに向かうのですね。

(4)再生期

 少しずつ希望をもち、自立して再出発するのが「再生期」。もう1度どうぶつと暮らすことにちょっとずつ目を向けられるようになる状態に。

 このサイクルは人によって様々。すぐに立ち直れる人もいれば、何年もかかる人もいるそうです。みんな違う、ということを理解していくことが大事なことだと実感しました。

おすまし顔のこぐま
おすまし顔のこぐま

「みうさん」との別れ、長引いたグリーフ

 くまおの前に暮らしていた「みうさん」との別れの後、グリーフの過程を知らずあまり感情を外に出しては行けない、と我慢して日々の生活を送っていたことで、私は回復に時間がかかってしまいました。

 くまおと出会ったことで、平気になったと思っていましたが、自分では平気と思っていても、6年経った今でも、闘病時のカメラロールは開くことができないでいます。

元気な頃のみうさん
元気な頃のみうさん

 それでも無理せず少しずつ向き合うように考え方を変えてから、楽になりました。

 お別れの後で、何とかしよう、と思ってもグリーフのケアには時間がかかってしまいます。そのためにも元気な時からどうぶつと向き合う時にグリーフケアを取り入れていくことは本当に大事なことだと感じています。

 次回はくまおの通院時、取り入れている方法についてお伝えします。

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鎌田里苗
すべてのイヌやネコが幸せに暮らせるように、と「一般社団法人くまお」 を設立。各地でイベントを開催し、保護猫の魅力について発信。2018年12月、猫も世界の一員「ネコもSDGs」プロジェクトを立ち上げた。くまおオフィシャルサイト http://kumao.co/ くまおインスタグラム @kumaokamako

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この特集について
くまおと始めるグリーフケア
死別の悲嘆を緩和する動物医療のグリーフケア。人気猫くまおの飼い主「くまお母」が、飼い主の立場から一緒に考えます。
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